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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

Dramatic Record ~Part 19~

~彼(か)の夫婦の場合~

「はい、リュウオウ」
「ん」

ここは教師等の一角、教師たちに与えられている私室(?)の内の一つ。
陽の当たる窓辺付近に置かれたソファーに座っているのは仲睦ましげな一組の男女だ。
外同様、彼らの周囲にも目には写らぬ桃色の雰囲気が漂っていた。

「どうかしら。今年は甘さを抑えてラム酒を多めにしてみたのだけど」
「うまい。毎年ありがとな」

緩くウェーブする白銀の髪を束ね、薄い青の瞳を優しさに満たした女性---ユキメは、目前の男性へとその白磁の指でつまんだトリュフを差し出す。
それに対して首の後ろで一括りにした青く長い髪と同色の瞳を持つ男性---リュウオウは、俗に言う『あーん』状態のそれを何の躊躇いも恥ずかしげもなく口にし、咀嚼した。

「ふふ、それはよかった」
「まぁ、おまえの作ったものはなんでもうまいがな」

この男女、学園でも有名なおしどり夫婦である。
さすがに授業面では公私混同することはないが、それ以外のプライベートな時間ではよく今の様に仲睦まじくしている姿が目撃されている。
結婚してそれなりの時が経つらしいのだが、未だに夫婦の仲に溝ができることもなくいつまでも新婚気分というのだから、中々にすごい事だ。

「授業がなければ外に行けたのだけれど…。仕方ないわね」
「なぁに。次の休日に外へ行けばいいだろう」
「まあ、あなたったら」

言いながら、そっとユキメのおでこにキスひとつ。
くすぐったそうに、けれどもとても幸せそうに彼女は笑う。
そんな妻の様子を見てリュウオウの普段はいささか険しい表情をしている顔にも微笑が。
今日も2人は幸せそうです!


◇◆◇◆◇


~おまけ~

「(うっわ、入るには入れない…)」

室内の、仲睦まじくしている夫婦を少し開いた扉の影から見つめている影が一つ。
陽の下に晒せば淡く煌くであろう金糸と、蒼穹を切り取ったかのように澄んだ蒼い色を湛える瞳を持つ少女、レイナだ。

「(えー…どうするかなこれ)」

姿勢はそのままに、そっと視線を下へと逸らすとそこに見えるのは大小様々な包み。
自分からの分はもちろん、ここに来るまでに他の人たちから渡された分も含まれている。
何かの記念日となるとあの2人は非常に仲睦まじい姿を見せてくれるのはいいのだが、いかんせん近づきにくい。
彼らも毎年のことで心得ているのか、自分で渡すことはせずわざわざレイナ経由だ。

「(くそ、みんなして私に押し付けやがってっ!)」

毎度のことなので半ば諦めているのだが、それでもやはり愚痴を言いたくなるもので。
ついつい口調も悪くなってしまう。

「(うーん…今回はいつも以上に近づきにくいな)」

そう、なぜだか今回はいつも以上。
おかげで普段ならそこまで戸惑うこともないのにどうしても部屋に入りづらい。

「(仕方ない、後で気付くだろう…)」

そう判断した彼女は、先ほどよりも開いた扉の隙間からそっと包みの入った紙袋を入れる。
扉の横にそれを置くと、音も立てずに扉を閉めた。







書き直したら文章短くなった。
もっと長かったのに。(笑

しかしあの夫婦の姿を書くのは楽しかった。
VD、互いの誕生日、クリスマス。
大体この日が一番イチャイチャしてる姿を見れます。(←

そして馬に当てられないように他の人はあまり近づきたがらないと。
それでもある程度近づけちゃうレイナちゃんは重宝されてます。(爆

んー、次はエンとゴウペアいこうか。
たぶんゴウはほぼ無口だろうなぁ。
ちゃんとしゃべってくれるか心配です。(…
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