Dramatic Record ~番外 9~ 古びた書物の本棚 2010年07月07日 ●内容 七夕話。 いずれちゃんと書き直して本編に組み込む予定。 とりあえずはSS(ショートストーリー)でお楽しみください。 さらさらと流れるせせらぎの音。 その淵に鎮座する巌に腰掛ける。 今朝、彼の姿が見えないなと思っていたら夕刻に箱をいくつか持ち帰ってきて。 突然手渡されたそれを開けば中からは濃紺の生地に蝶の染め抜きがされた浴衣。 帯は藤色の綺麗なグラデーション。 どうやら朝から浴衣を用意しに姿をくらませていたのだとわかり呆れの溜息一つ。 それでも彼は嬉しそうに、照れくさそうに笑っていた。 彼が用意してくれた浴衣や甚平を着ていつもの4人で川辺へときた。 と言っても案内したのは漆黒と桃色。 銀色は私の手を優しく引いているだけ。 どうも目的があるらしいけど、私は何も知らされていない。 ちょっと、不公平じゃない? 軽く頬を膨らませつつも大人しく突いていった先にいたのは闇色だった。 これにはさすがに吃驚だ。 だって、銀色はともかく漆黒と桃色に接点はないだろうから。 後から聞いたら銀色が仲介していたらしい。 何もいわなかった闇色には無言で肘を入れてやった。 何気なく闇色の背後を見ると、何か長くて大きいもの。 視線を上へと動かせば、それは飾り付けられた笹。 見上げていたら、銀色に短冊を手渡されて。 そこで漸く今日が七夕だったのだと思い出す。 彼らの行動はこれが原因かと1人納得。 短冊に願いを書いて、それを影を使って一番上に器用に付ける。 桃色にはそれじゃ願いが見えないと怒られた。 普通、見せるものじゃないでしょう。 そのあとは、みんなで川縁に座り込み雑談。 私は一際大きい巌の上に腰掛けた。 せせらぎと葉の奏でる音がとても綺麗。 空には幾千幾万もの星たち。 たまにはこうするのも悪くないとこっそり微笑った。PR