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古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。
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「あーもう!なんで私たちがこんなことしなくちゃいけないのよー!!」
「まぁまぁ、落ち着いて」
レイナとシュウがリヴァイアサン退治に向かった頃の砂浜では生徒たちの叫びと宥める声が響いていた。
警備役と海の家役とが決まったようで、それぞれ警備役は腕章を、海の家役は店のロゴが入ったエプロンを付けていた。
服は制服だとあんまりだということで水着に着替えている。
余談だが、全員分の水着が用意されていたことには驚かされた。
「とりあえずだ、それぞれの依頼主が待ってるから行くぞ。海の家にはコウリュウがつくからサボるなよー」
「はーい」
ビャクヤの言葉もあり、生徒たちはそれぞれ与えられた依頼へと向かうのであった。
◆◇◆◇◆
「いらっしゃいませー」
「こっち生ビール2本追加です!」
「お嬢ちゃんかわいいねー。どう、今夜一緒に?」
「あらお客さまったら冗談がお上手ですこと」
「こっち焼きソバできたぞー」
「はーい!」
「店員さん会計お願い!」
「少々お待ちをー!」
最初は空いていた海の家も、昼食時が近づくにつれ客足が増え、今では忙殺されそうなほどに忙しい。
始めは見ているだけだったコウリュウも、あまりの忙しさに調理場担当として借り出されている。
おまけに彼の料理の腕が無駄にいいものだから客足が増えているのも忙しさの原因になっていたりするのだが、残念ながらこの忙しさの中でそのことに気付くものは皆無であった。
◆◇◆◇◆
時は遡ること数時間前。
場面は砂浜で警備をしている者たちへと移り変わる。
二人一組、5ペアで巡回していた彼らは居る場所は違えど見ているものは同じであった。
そう、彼らは突然伝わってきた凄絶な魔力を感じ海へと向け-…固まった。
なぜって、それは勿論海面に出来上がるいくつもの氷塊を見てしまったからだ。
氷塊ってあんた、いくらなんでも時期が違うというかもっと他にやりようがあるだろう。
そう思いつつも彼らは暴れるリヴァイアサンを見ていることしか出来なかった。
そして氷塊の出来上がる光景を目撃した海水浴客を落ち着かせるのに苦労したのだとか。
◆◇◆◇◆
「あ、いたいた」
そう声を発したのはリヴァイアサン退治を終えたレイナだ。
声をかけられた警備組みの面々は声のした方へと顔を向け、呆け面を晒す。
常日頃あまり露出の多くない彼女だから想像もしていなかったその姿は、水着。
紺色のビキニと下肢にまとうパレオはさり気ない和柄で、普段はいくつも付けている魔器も海という場所のためか数が少ない。
さらに彼女の後ろに佇んでいたシュウに視線をやると、お揃いなのか似たデザインの男性用水着を着ていた。
「暑い中ご苦労様。私たちは終わったから一足先に楽しませてもらうわ。そっちは引き続き頑張ってね」
そういい残すと後ろ手に手をヒラヒラさせ、去っていった。
もちろんながらその後をシュウが追いかけて。
「まさか、レイナが水着を着るとはねー」
「ちょっと、意外だわ」
「眼福眼福」
「お黙り」