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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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旅の始まり

カノコタウン、その中心に位置する青屋根の家にそれは届いた。

「レイ、アララギ博士に聞いたけれどポケモンを貰えるんだって?」
「ああ」

レイと呼ばれた少年は、問いかけて来た少年に頷く。
彼らの目の前には机の上に置かれた蒼い箱。
ラッピングされたそれは机の上に鎮座していた。

「・・・・・・ベルはまた?」

誰かを待っているようで、少年は小さく呟くと足で床をとんとんと叩く。
と、階段を登ってくる緑色の帽子。

「あのう、ごめんね。また遅くなっちゃった…」
「ねぇベル。君がマイペースなのは10年も前から知っているけど今日はアララギ博士からポケモンがもらえるんだよ?」
「はーい、ごめんなさい。レイ、チェレン」

ベルと呼ばれた少女は少年たちの前に来ると素直に謝った。

「で、ポケモンどこなの?レイの家に届いたんだし選ぶのはレイからだよね」
「勿論」

ベルの言葉に少年、チェレンが肯定する。
そして3人はプレゼントへと向き直り、レイがゆっくりと掛かっていたリボンを解いた。

中から出ていたのは3つのモンスターボール。
旅に出る新人トレーナーが貰うことの出来る3匹のポケモンがそれぞれ入っているのだ。

レイはおもむろに左端のボールを手に取り、中からポケモンを出す。
出てきたのは…。

「ツタージャ」
「じゃ、私はこのポケモン!チェレンはこの子ね!」
「どうして君が僕のポケモンを決めるのさ?まぁ、最初からポカブが欲しかったけど」

レイはツタージャ、ベルはミジュマル、チェレンはポカブをそれぞれ選択した。

「みんな自分のポケモン選んだよね。ということで、ポケモン勝負しようよ!」
「あのね、ベル。まだ弱いポケモンとは言えー…」
「・・・・・・」

ベルとチェレンが言い合っている傍らで、レイは自分のパートナーとなったポケモンを見つめていた。
不意に腰を下ろし出来るだけツタージャと目線の高さを合わせると…。

「ダリア」
「・・・・・・?」
「君の名前はダリアだよ」

そう言ってツタージャ、ダリアの頭を撫でてやる。

『ダリア…それが私の名前?』
「そうだよ。ダリア、これからよろしくな」
『・・・・・・』

レイが微笑みよろしくというと、ダリアはフイと顔を背けてしまった。
明後日を向いたダリアの顔はうっすらと赤みを帯び、照れているのだとわかる。
それを見てクスリと笑ったレイにベルが声をかけてきた。

「--というわけでレイ!ポケモン勝負始めようよ!」
「はいはい、わかったから」

その言葉と共に、ポケモン勝負が開始された。
ベルとの勝負後フェアじゃないと言い出したチェレンとの勝負もあるのだが、レイはこのときはまだ知る由もなかった。
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