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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

君の声

「--…以上、私の演説をご清聴くださりありがとうございます」

そう言って怪しげな男が演説を終えその場から立ち去る。
部下と思われる奇抜な格好をした人物たちに囲まれどこかへと消えていく男を横目に見つつ、レイは自分の足元にしがみ付く存在へと気が付いた。

「ダリア?」
『・・・・・・』

キュッとズボンを握る手はどこか頼りなく。
少し心配になったレイがしゃがみ込みそっとダリアの頭を撫でる。

「ダリア、どうした?」
『なんでも、ありません』

レイの言葉にふるふると頭を振り、ダリアはなんでもないと言う。
「そう?」とレイは言うとダリアを抱き上げようとし…。

「ねぇ」

誰か、少年だろう声に呼び止められた。

「?」
「君のポケモン、今喋ってたよね?」

声を発したのは帽子をかぶった少年。

「・・・・・・」
「(うわぁ、なんかまた変な人で他よ)」

無言のレイと、無表情の下で失礼なことを考えているチェレン。
そんな2人には構わず謎の少年は話し続ける。

「君のポケモンの声をもっと聞かせてくれ!」
「(ちょ、勝負かよ!)」

勝手にヒートアップした少年(Nと名乗っていた)はレイへと勝負を仕掛ける。
それを心のうちで突っこみつつも見守るチェレン。

しかし勝負は心配するチェレンをよそにレイの圧勝で終わった。
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