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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

それぞれの答え

「トレーナーとしての目的はチャンピオンですけど」
「うむ!目的を持って旅することは素晴らしいことだ。それで、チャンピオンになってどうするつもりかね?」

チェレンの言葉に燃えるような赤い髪を持った男性、チャンピオンと名乗ったアデクは鋭く突っ込む。
その言葉の意味を理解できてないないのか、チェレンは怪訝な表情を浮かべた。

「強さを求める、それ以外に何かあるのですか?一番強いトレーナー、それがチャンピオンですよね」
「ふむぅ、強くなるか…」

チェレンの当然と言う言葉にアデクは顎えと手をかけ考え込む。

「それだけが目的でいいのかね?」

本当にそれだけでいいのかと、彼は言う。
そしてアデクはなお続ける。

「わしは色んな人たちにポケモンを好きになってもらう、そのことも大事だと考えるようになってな」

そして「彼女たちと遊んでみるといい」といって側にいた園児を呼び寄せる。
アデクの呼びかけに寄ってきた園児となぜかバトルすることになり、2人はボールを構えた。

◆◇◆◇◆

「お前たち!勝てなかったがいい勝負だったな!それにポケモンも嬉しそうだしなぁ」
「(そりゃチェレンのポケモン瀕死にさせたんだから上出来だろ)」

豪快に笑い園児の頭を撫でるアデクの言葉に、レイはそっと心の中で突っ込む。
先のバトル、例のポケモンは無傷でチェレンは先鋒となったレパルダスは瀕死へと追い込まれた。
実質戦闘ではレイのポケモンの独壇場であったが…。

「さて、若者よ。キミのように強さを求めるものがいれば彼らのようにポケモンと一緒にいるだけで満足するものもいる。色んな人がいるのだ、答えもいろいろある。キミとわしの考えるチャンピオン像が違っていてもそういうものだと思ってくれい!」
「さ、行きましょ。ホドモエの跳ね橋はもう直ぐよ」

アデクの話が終わると共にいたカミツレは2人を促し先へと進む。
そんな彼女の後を着いていきながら、チェレンは納得のいかない顔をしていた。

「強いのがチャンピオン!それ以外の答えはないよ」
「それだけじゃ、ないと思うけど…」

レイはその姿を見ながらポツリと呟いた。
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