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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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異国のキミから

「あなたジムバッジ全部持ってるの!?」

突然大きな声を出した女性にレイはビクリと肩を震わせた。
今彼が居るのは14番道路にある研究所。
中に入ってみると女性が1人佇んでおり、トレーナーだと伝えるとカードを見せてくれと言われた。
言われたとおりに見せると目を見開いた女性が先程の言葉を放ったのだ。

「この子ならもしかすると・・・パーク博士!パーク博士ー!!キミ、ちょっと着いてきて」
「え、あ・・・はい?」

そういうと女性は階段を登り研究所の上部へと上がっていく。
レイもそれについていくと、着いた先には1人の男性研究員。

「パーク博士、この子凄いの!全ジムバッジを持っているのよ!この子ならきっとアレを起動させることが出来るわ!」
「・・・アレって何だろ?」
『さぁ・・・』

レイとダリアが首を傾げていると女性の声を聞いた研究員がこちらを振り向き、興奮したように何かを言っている。
その様にレイは一歩後ずさる。

「(このノリ、即視感が・・・)」

誰だったか・・・とレイが考えている間も研究員の言葉は続き。

「ゥワッフーーーーー!」
「ひっ!?」
「なんて素晴らしい日だ!グレイト!信じられない!」
「博士博士、この子怖がってますよ」

突然の叫び声とクルクル回る姿にレイは完全に腰が引けている。
そんなレイの姿にダリアが警戒するように尾を動かし主を囲う。
それを見た女性が博士を落ち着かせるように口を開いた。

「ああ、すまない。つい興奮してしまってね。ぼくはアンドリュー・パーク博士!きみ!えーと・・・」
「レイ、です」
「レイ君か!きみ、歴史を動かす大実験に参加しないかね?!」
「大実験?」
『怪しいですよ、レイ』

研究員の言葉に首をかしげていると、まだ警戒しているのかダリアが言う。
ダリアの声が聞こえていない研究員は当然ながらそれに構わず説明を始めた。

「ここの装置はポケシフターと言ってエネルギーパーティクルをイヴォークしつつDSという・・・モレキュールの・・・2つ・・・ジャンクションし・・・遠くに居るポケモンと・・・」
「???」
『何を言っているのかさっぱり・・・。やぱりこいつ怪しいですよ』

男の説明は何を言って言うのかさっぱりで、レイの頭上にはクエスチョンマークが大量に飛んでいる。
ダリアも余計警戒しだしているようだ。

「つまりね、この装置を使えばポケモンを別の地方から連れてこられるかもしれないの。ただし、ポケモンたちが持っている道具はダメね!」
「そうなんだ・・・すごい、ね」
『・・・・・・』
「安全に連れてくるためには手ぶらが一番なのよ」
「というわけでユー!ファンタスティックトレーナー!世紀の大実験に付き合ってくれないか!」
「え・・・と」
『ほっといて行きましょう、レイ』
「でも、楽しそうだし・・・」
『俺も面白いと思うけどなー』
『ゼツ!』

レイは興味を惹かれているようでYESと言いたそうだ。
そんなレイにダメだと言うダリアの声に、ゼツがボールの中から声をかけた。

『でも、もしレイに何かあったらどうするのです』
『お前がいるし俺たちもいる、だから大丈夫だろ?』
『それでも』
『最近ダリアはとんとお母さんになったわねぇ』
『ココ!』

ダリアとゼツが言い合っていると、横合いからココも口を挟んでくる。
ココを混ぜた彼らの言い合いはしばらく続きそうで、レイはこの隙にと男へYESと伝えていた。

◆◇◆◇◆

「グレイト!グ、グーレイト!ファーンターースティーーック!!」
「っ!」
『ん?』
『なに?』

ダリアたちが口論していると突然男の大きな声が響いた。
その後にレイの小さな驚く声。
ダリアたちは何事かと一旦口論を止め彼らのほうを見やった。

「君のポケシフター捌きはほんっとうに刺激的だ!おほぉっ!ポケシフターがいよいよ完成に近づいているぞ!もうまたすぐ来てくれ!すかさず来てくれ!そして更に素晴らしいポケシフター捌きを我々に見せてくれっ!」
『あ、レイまさか勝手にやったんですか!?』
『おぅおぅ、マスターもやるねぇ』
『新しい仲間が増えたのね!』
『レイ、ダメだと言ったじゃないですか!』
「いや、でも楽しそうだったし、楽しかった・・・よ?」
『マスター、なぜそこで疑問系なんだ』

どうやらレイはダリアたちが口論している最中にポケシフターの実験をやったらしい。
それについてダリアは怒り、ゼツは感心、ココは仲間が増えることを喜んでいた。

「捕まえたポケモンはパソコンのボックスに入れておいたよ。やりたくなったらまた来てよね!」
「は、はい・・・」
『レーイー!』
『なんでダリアはそんな反対してるんだか・・・』
『それはダリア本人にしかわかりませんわ』

ダリアの叫びをよそにレイは嬉しそうで、他の仲間たちははてなを浮かべていたのだった。
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