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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~番外 16~

●内容
本編の女帝&ヘタレ、番外の性別逆転組との邂逅です。
ふと、もしこの2組が出会ったらどうなるかなと興味がわいたのでやってみました。







「…んん?」
「…ぁあ?」
「………」
「うわぁ」

出会った瞬間、思わず怪訝な声を上げたのは仕方ないことだろう。
1人は眉をしかめ、1人は首をひねり、1人はそっと目を逸らしてまた別の1人は驚いたような感嘆したような声を上げる。
互いに相対するであろうその人物を見上げ見下ろし、その人物たちはジッと見つめ合い。

―――ガッ!

4人のうち2人は互いの胸ぐらを掴みあった。

「ちょ、何してっ!」
「やめてー!」

その突然の行動に驚いたのは当然ながら残りの2人だ。
目を逸らしていた人物は突然聞こえた音に視線を戻して慌て、驚きの声を上げていた人物はその行動を止めるために自身の横にいた人物の腕にしがみつく。

「問題ないわ」
「問題ない」

そんな2人に返ってきたのは問題ないと、心配ないという言葉。
その言葉に慌てていた人物は大人しくなり、腕にしがみついていた人物は身を離した。

「これ…」
「お前も」

胸ぐらを掴みあっていた人物たちは互いに服の前を寛げ。
そして何かを確認できたのか声を上げた。

その2人の人物の胸元には皮紐に通された色や形がそっくりな宝石。
研磨されていないのだろうそれは歪な形だが澄んだ蒼色の綺麗な輝きを発している。

己が胸ぐらを掴んだ相手を見やり少女―――陽に煌めく長い金髪を高く結い上げ蒼穹の瞳を鋭く眇めたレイナは、“彼”の胸元に己の物と寸分違わぬ物を認めるとゆっくりと掴んでいた手を離した。
レイナの行動に倣ったかのように彼女の胸元から手を放した青年―――レイナと同じく陽に煌めく金糸、しかしそれは肩につかないざんばらで、同じく彼女同様蒼穹の瞳を持ったレイは、離した手を降ろすとフッと息を吐き出すように笑った。

「とりあえず、ようこそ?」


◆◇◆◇◆


とりあえず場所を移そうということになって、4人が来たのは学生塔最上階の生徒会専用フロア。
そこの談話室にあるソファーにそれぞれが対面するよう座った4人は一先ず今の状況を整理することにした。

「つまり、術のぶつかりで時空の狭間ができちゃったと」
「ええ」

こちらの世界のシュウだと名乗った少女―――ふわふわとした長い銀糸のサイドを後ろで結い、菫色の瞳をきょとりとさせた彼女はレイナの説明を端的にまとめる。

「また、ずいぶんと珍しい現象だな」
「俺もさすがにこれは体験したことない」

クックッと笑いながらいうレイに対し彼の斜め前に座っていた青年―――こちらの世界のシュウと同じ名前であり持った色彩すら同じの、しかし彼女とは違い短い髪のシュウはげんなりとした様に項垂れて言った。

「まぁ、来ちゃったものは仕方ないし」
「“絆”もあるから戻れるだろ」

レイナとレイは楽観的評価を下す。
それに呆れ苦笑したのはやはりというか、2人のシュウだった。

「お前ら世界が違ってもマイペースだな」
「根本は一緒なのね」

そう言った2人の様子に顔を見合わせたレイナとレイは一拍置き。

「「だって同じ存在だもの」」

そうのたまってくださった。
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