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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~金色の物語~

愛し児(めぐしご)が生まれたのは、陰昇月の中旬。
空に昇る月が紅く輝く祈穏の日でした。


*****


西北に位置する小さな島国。
その最果てにある島に、彼らは住んでいた。

「おや、この間見たときはまだくしゃくしゃだったというのに」

そう言って床に敷かれた布団の上に身を起こす女性の腕に納まる小さな赤子を覗き込んだのは、髪も瞳も、纏う服さえもが全てを飲み込むかのような漆黒色の彼。
黒尽くめの彼はそっと手を伸ばして赤子に触れる。

「この間と言ってもつい先日でしょう」

そんな漆黒の彼の言葉に笑いながら答えたのは、赤子を優しく抱きかかえた女性。
漆黒の彼とは違い柔らかな黒を持つ髪と瞳の女性はくすくすと笑い続けている。

「しかし、先日といっても早いものだな」
「ああ、あなたたちは少しどころかかなり違いますものね」
「酷いなぁ」

ねー、と腕の中の赤子に返事を期待するわけでもなく問いかけている女性に、漆黒は苦笑する。
と、彼らのいた部屋の襖が静かに開かれる。

「おや、来ていたのですか」
「やぁ、お邪魔しているよ」

開かれた襖から姿を見せたのは、彼女と同じ柔らかな黒い髪と瞳の男性。
 足音微かに部屋へと入ってきた彼は女性の隣へと腰を下ろす。

「それにしても、案外暇なのでしょうか」
「何がだい?」
「あなたですよ」
「おや…」

1週間ほど前も来ていたでしょう、と言った男性に、漆黒は片眉を上げる。
そのまま談笑を続ける男性2人に、赤子を抱えたままの女性も淡く笑みを浮かべたまま様子を見ていた。

「そういえば、随分と気に入られたようだね?」
「ええ、翁も他の子もみんな気に入ったようよ」

ふと、漆黒が思い出したように言う。
それは主語を抜かした言葉であったが、ちゃんと伝わったようで。
女性はそれに答えながら赤子を優しく撫でる。
相変わらず赤子は腕の中に大人しく収まり、撫でられたことによりむず痒そうに身を捩じらせた。

「紅月に祝福された子。きっと、この子は強く優しく育つわ」
「なんて言ったってこの子は君の子だからね」
「やだ、あなたったら」

仲のいい夫婦はそっとしておくことにして。
漆黒はまだ生え揃わぬ赤子の頭をそっと撫でた。

その髪色は――――明るい金色。







新ドラレコ1話。
金色は言わずもがな、女帝です。
漆黒はクロス。

余談ですが女帝の両親は髪も瞳も黒ですよ。
父方の隔世遺伝で女帝は金髪碧眼になりました。
更に余談をしますと女帝は生まれた直後黒でした。
んで2,3日たって髪が金になっちゃって両親びっくり周りもびっくり。

ついでだから余談をもうちょっと投下すると(既に余談ではない)最果ての島は家屋が和風。
生後5日ほどで両親は女帝を連れて『精霊の里』→翁&その他とご対面→気に入られる→白九龍が帰り際にひついてくる。こんな流れ。
女帝が生まれてから魔王はやたらと構いたがりに最果ての島へ来る。
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