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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

Dramatic Record ~金と銀と居候~

屋敷の主人から話は聞いていた。
西北の島々の果て、魔物の集団に襲われて唯一生き残った幼子が居るのだと。
主人の息子と大して年が違わないらしいとも。
今は酷く他人に怯えているが、慣れてきたら会うこともあるだろうと聞いて。
少し楽しみにしていたのだが――…
 

*****


「………」
「………」
「ぇっと…」

現在地、裏庭。
現在の状況、なぜかブリザード。

俺の視界には無言で睨み合う黒と金が写っている。
2人の周りには陰廻月だというのに氷ができていた。
視覚的にではなく物理的に。

それを見て隣にいるシュウは困惑気味だ。
って、そうじゃなくて。

「なんでこの暑い時期に氷ができてんだ!?」
「問題、違う」

気が動転し過ぎていたのか俺も思考がずれていたらしい。
教えてくれてありがとうな、ゴウ(シュウとは反対側に居る赤髪灰眼の少年だ)。

なぜ今現在こんな状況が出来上がっているのか。

シュウから聞いた話をまとめてみると、リュウオウとユキメに連れられてやってきた少女(レイナというらしい)とシュウは、当の大人組によって遊んで来いと部屋を追い出されたらしい。
そしてそのままシュウはレイナの手を(強引に)引いて裏庭までやってきた。

どうやらシュウは俺に会わせたかったらしい(ビャクヤは現在魔導都市のギルドに居る)。

そして俺はというと、丁度友人と一緒に身体を動かしていた。
ちなみに友人とは俺の横に居るゴウと、レイナと睨み合っている黒髪赤眼の少年――エンだ。

エンは裏庭に来た2人の姿を見止めると、見慣れない少女の姿(彼らはこの屋敷の住人ではないが何かとこの屋敷に遊びに来ている)に興味を持ったらしく、早速構いに行ってしまった。

そして気が済むまで構おうとして――…

現在進行形で威嚇されている。
それもものすごい勢いで。
エンが睨み返しているのはただ単に彼のノリが非常に良いためだ。
この場合逆効果にしかなっていないのは明白だが。

エンのおかげで一気に下がってしまった少女の機嫌に合わせて、少女の内包する魔力がざわつき周囲を凍てつかせる。
真夏なのに周囲は真冬並みの寒さ。
正直笑えない。

そんなことを考えながら、範囲を広げた凍結面に俺は両隣の2人を下がらせた。







DR10話目。

女帝が居候+αと出会いました。
エンに対する女帝の第一印象は最悪の一言です。

いきなり構いに来られたら誰でもびっくりするでしょう。
おかげで周囲は凍りつきました。
月影は魔力足りないので影の中でギリギリしながら見ています。

エン、夜道は全周囲に気を付けて。(ちょ
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