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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~Part 16~

「あーあ、見事に壊れてるね」

手のひらに乗せたそれを見て。
突然何の前触れもなく仕事場に現れた彼女へと、感心した風情で持って彼はそう言った。
その言葉に眉間へと軽く皺を寄せたレイナは、『力が成長途中なのは知ってるでしょ』と言いつつ行儀悪く頬杖をつき眼前の彼を軽く睨み付ける。
青紫の髪と青い瞳、先程まで作業していた為防火用具をつけたままの彼---この業界では知らぬ者など居ないほど有名な、そしてレイナの付ける抑制型魔器を作ることのできる唯一の細工職人、通称『蒼(アオ)』は、着けたままだった分厚い皮手袋を外しながら壊れてしまった魔器をマジマジと見つめていた。

「前のからかなり強力なのにしておいたんだけどダメだったかぁ」
「でもまぁ、3ヶ月はよくもったほうだよ」
「だよなぁ」

感心した風情ではあるのだが、どこか悲しげである。
それもそうだろう。
自分が他にあった仕事を投げ出して数週間もかけ作った魔器が、3ヶ月で壊れてしまったのだ。
すぐに壊れるのはいつものことだから泣きはしないが悲しいものは悲しい。

「ううう、とっても大変だったんだよ!?クロちゃんが新しく魔方陣作ってくれたからそれ必死で印したのにさぁ。籠める魔力だった昏倒寸前だったのに!」

今度こそ半年くらいはもつって期待したのに!
そうひとしきり呻いて落ち着きを取り戻した彼は『それで』と話を進めることにした。

「また新たに魔器を作ればいいんだよね?」
「ええ、お願い。それと頼んでた強化は済んでる?」
「もちろんさ!俺が君の頼みを後回しにするはずないだろう」

言っておもむろに立ち上がった彼は、近くにあった台に置かれていた箱を手に取ると元の場所へと腰を下ろした。
その手にあったのは控えめながらもどこか品を感じさせる造りの箱。
片手に収まる程度の大きさのそれは蓋の部分が透けており、箱の中が装飾品入れになっているのが見て取れた。
ゆっくりと開けられた蓋、その中に納まっていたのは3つの指輪。
レイナが壊してしまった指輪に刻まれていた魔方陣と酷似した、しかしそれより幾分か複雑で細かい魔法陣が描かれている。

「これよりも強いはずだから、とりあえずこれをつけてて。髪飾りとチョーカーも強化したほうがいいかな?今嵌めてる指輪の強化は確定だね」

収められていた指輪をレイナへと渡す。
レイナも今自身が嵌めていた指輪を外し、彼へと渡すと新たに渡された物を嵌めなおして。

「ん、さっすが蒼。上出来だね。残り2つも強化してもらいたいんだけど…他にないからなぁ」
「ね、姫」

新たな魔器の調子を確かめた後思案の海に浸ってしまったレイナに、声をかける。
その声に『何?』と浮上した彼女は首をかしげて彼を見つめた。
見つめた彼は先程までの軽い調子ではなく、真剣そのものの眼差しで口を開く。

「そろそろ、魔器の数を増やさない?さすがに今渡した以上の強さの物は難しいよ。君があまり装飾をつけたがらないのはわかるけど、今の数では抑えきれない。だから、ね?」
「・・・・・・・・・」

今の数では限界が近い。
だから数を増やさないかと。
たしかに作るという点では負担が多くなるが数を多くする分魔器が壊れるまでの期間も長くなるだろう。

「そう、ね。たしかに限界かも。いい加減数を増やすべきかな」
「そうと決まれば早速デザインだね!何がいいかなぁ、姫は綺麗だから何でも似合いそうなんだよね。あー、創るのが楽しみ!」

既にどんなデザインにしようかと彼の頭はそれでいっぱいのようだ。
へたをしたら周囲にピンク色の花が飛び交っていそうなほどその顔は緩んでいる。

「とりあえず、デザインは任せるよ。言っとくけど派手なのは勘弁だからね」
「わかってるって。出来たら連絡入れるから楽しみにしてて!」

本当にわかっているのか。
今の勢いだと不安ではあるが、まぁ大丈夫だろうと判断して。
『頼む』と一言言い置いてその場を去った。







細工職人『蒼(アオ)』登場。
別の子考えてたらいつの間にかこんな子になってた。(ぇぁ

そしてあれ…予定していたノリと違う…。
なぜ微妙にシリアス風味。
なーずぇー。(知らん

そして魔器の数が増えることとなったレイナちゃん。
どうなるのかはまぁ追々考えます。(爆
とりあえず今考えてるのは腰につけるチェーンっぽいのですかね。
チェーンに付け替え可能なストラップが付くような感じ?

それと、代金渡すの忘れてましたね。(←
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