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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~希少な力~

数少ないその力。
実際に見た者は殆どおらず、書物に残る記録も少ない。
実在しないとさえ言われるその力を持つ者が、今この前に――…


*****


「で、リュウオウ達は知ってたの?」

見事な調度品の置かれた室内に、彼らは集まっていた。
室内に置かれているソファーに座る者、壁に凭れる者など各々好きなようにしている。

その中で声を上げたのは、ソファーの背に凭れかかっていたコウリュウだ。
コウリュウは肘を立て、手で顎を支えながら対面するように座っているリュウオウへと問いかける。

「ああ、知っているというよりはおぼろげに悟っているって感じだったがな」
「あの子を見つけた時、涼やかな凛とした気配が残っていたから」

肯定するリュウオウの横ではレイナを間に挟んで座るユキメが彼の言葉を補足するように頷いている。

彼らがこの部屋に集まり話している内容は、リュウオウとユキメが引き取り育てている少女について。
先程この部屋の、この屋敷の主人の息子に連れられた件の少女がエンと睨み合った際に見せた力。
それは書物に僅かな記録が残るのみである氷の属性であった。

真夏であるのに氷柱が出来る姿は異様であったと、目撃したコウリュウは後に語っている。

余談は置いておくとして、今まで実際に目にしたことが有る者がほとんどいないその力。
まさかこの少女がその力を持っているとは思いもよらず、知っているだろうこの2人に話を聞くため彼らはこの部屋に集まっていた。

「氷の属性って希少だろ?引き取ってよかったの?」
「面倒事は確実にあるだろうな」

リュウオウ達が少女を引き取った時、唯一の生き残りとして色々と騒がれたものである。
しかし彼らはそれらを物ともせず、少女を引き取り保護者となった。
その時は騒がれこそすれ、それだけであったが。
少女が氷の属性を持つと知れたらどうなる事か。

「それでも、私たちはこの子を守り育てるわ」
「ふぅん。2人がそう決めたのならいいけど」
「・・・・・・」

先程の穏やかな雰囲気から一転、ピンと張りつめたような気配へと転じたユキメが言う。
その横のリュウオウも、真剣な眼差しでいる。
そんな2人を、間に挟まれた形でいるレイナが交互に見やる。

「この子には、できるだけ早く力の制御を覚えてもらおうと思っているの」

優しくレイナの頭を撫でてやりながらユキメが言う。

「あと、自分で自分の身を守れるように護身術程度は…な」

力の制御を覚えれば隠すことができる。
もし知られたとしても、護身術を使えるのと使えないのとでは大分違うだろう。

「そっか。もしさ、手伝えることが有ったら言ってな。俺、手伝うからさ」
「ああ、その時はよろしくな」

こうして少女の修行の日々が決まった。







最後の更新からおよそ3ヶ月ぶりです。

実はですね、一気にエリアル学園の話に飛ぶか、
それともそれまでの成長話を挟むか悩んだんですよ。
で、結局入れることにしました。

元々は入れずに行く予定をしていたのでどんな感じにするかで悶々としてたんですよ。(←
無理やり感がありますが、大体はこんな感じで女帝が出来上がっていきます。

で、一番の問題はここからどうやってあの性格が形成されていくかなんですよね…。
性格形成に(嫌な感じで)貢献する人物は誰にするか。
でもたぶんそこはエンだと思う。(ちょ

あと、クロスとの関係も書きたいですよね。

ああもう書きたいことと書いておいた方が良い事が多くて…っ!
またのんびりゆっくり更新していきたいと思います。
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