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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

Play4

ホミカちゃんを追ってポケウッドへと来た俺は。
ゲートを潜り抜けてすぐ、オーナーだというウッドウさんに捕まっていた。

「君がシオンちゃんか!早速だけど映画を撮ってみないかい!?」
「いやあの、その前にシオンちゃんって…」

オレ、男なんだけど。
どうしてちゃん付けで呼ばれているのだろう。

思わずひくりと頬をひきつらせたのは仕方ないだろう。
とんとろとリイヤ(NNこそ登録はされていないがリオルの名前だ)も苦笑を禁じ得ないようだ。

こっそりリイヤが『災難だね』と言ってきた。

そのままウッドウさんは「ボクもチャチャッと準備しないと!」と言ってどこかへ消えてしまう。
これは確実に逃れられそうにない。
出来れば全力で逃げたいのだけれども。
来てしまったことを早速後悔し始めたオレに、ポケウッドのスタッフだろうかが「一緒に行こう」と言ってオレの腕を引く。
そのまま成すがまま、オレは彼に連れて行かれあれよあれよと場所の説明をされてしまった。

そうして連れて来られたシアター内。
そのまま進んでいると見た事のある男性がオレを連れた男性に声をかける。

「これはこれは!スカウトさんじゃありませんか!おかげさまで私も念願のスクリーンデビューができました!」
「どうですか!それはなにより!」

どこかで見かけたとおもったら、彼はホミカちゃんのお父さんだ。
スカウトという名前なのだろうオレを連れた男性と話していた彼は、オレの存在に気づいたようで、スカウトさんに俺の事を聞いている。
スカウトさんはというと、オレがホミカちゃんに挑戦しているところを見てスカウトしたのだと説明している。
スカウトというか、半ば強引だったじゃないから目を逸らし空笑いするしかないオレ。

なんだかんだ話が進んで、気付いたらオレはホミカちゃんのお父さんの映画を見ることになっていた。
一体全体どうしてこうなったのだろうか。

そのまま今度はホミカちゃんのお父さんに連れられて行く。
俺に拒否権ってないのかな。
そう、意識を遠くにやりそうになっているオレの足を、とんとろとリイヤが優しく叩いた。
その優しさが心にしみる。

そのまま特別上映なのだと言って通常のスクリーンとは違う場所に連れられて行く。
そこで見せられたのは『ハチクマンVS正義のの中年男』というものだった。
悪のハチクマンと正義のリオルマンが戦うという内容の様で、オレの隣にいるリイヤは“リオル”の名前に反応していた。
しかし内容はとてもつまらないもので、最初は多くいた観客も映画が進むにつれてどんどん人が居なくなってしまう。
リイヤも初めこそ興味津々にしていたのだが、どんどん「なんだこれ」といった様子で。

ようやく映画が終わりスクリーンから退場するオレとホミカちゃんのお父さん。
お父さんはというと無言である。

どうやら自分に映画は向かないと悟ったらしいお父さん。
彼は一先ず本業に戻るがしかしまだ夢は諦めていないといい残し、シアターを去っていった。

そしてオレはというと、再びやってきたスカウトさんにまたもや連れられて撮影スタジオへと行くことに。
到着したそこでは既にウッドウさんが準備を終わらせていた。

そしてオレならきっと銀幕のスターになれると言って共演者までいるのだと言われた。
そんなウッドウさんに呼ばれて登場したのは、さっきお父さんの映画でも登場していたハチクさん。
どうやらここポケウッドの看板スターらしい彼と組んで映画を作らされることとなったらしい。

簡単に、ぶっきらぼうに挨拶をしたハチクさんは、そのままスタジオの奥へと消えていく。
ウッドウさんは彼を相変わらずクールだと評していたが。


*****


仕方なく、撮影の手続きを済ませようとする。
自分のポケモンと使おうとしたらどうやら今はまだ自分のポケモンを使えないようで断られてしまった。

一先ずレンタルのポケモンで撮影をすることに。

渡されたポケモンはリオル。
そろっと映画セットの端に視線を向けると、リイヤが完全に不貞腐れていた。

「(そりゃ自分のトレーナーが自分がいるにもかかわらず同じ種族の違うポケモン使ってたら怒るよなぁ)」

オレは後でどうやってリイヤの機嫌を取るかと考えつつ、やるからにはしっかりと、の精神で映画撮影に取り組むことにした。

どうやら俺は映画の中ではリオルキッドというらしい。
リオルマンといい、なんて安直なネーミングだろうか。
相変わらず俺は空笑いしかできない。

ようやく撮影も終わり、オレは撮影現場から出る。
出てそうそう、オレは受付スタッフにリオルのボールを返す。
これ以上このリオルを連れていたら本当にリイヤの機嫌を取れなくなりそうだ。

そのままオレはシアターに連れて行かれそうになったが、どうやらウッドウさんは時間が押しているらしい。
何度も自分の出演作品を見るようにと念を押しつつ、彼はスカウトさんに連れられて去っていった。

さて、何度も念を押されたことだしと、オレは一応自分の作品を見てみることに。
さっそくシアターへと向かう。

そうして鑑賞してみた自分の映画。
ストレートすぎてあまり面白みがないように感じられる。
興行成績も見れるようで、自分の映画は240億円の様だ。

そのままシアター―を出ようとすると、またもやウッドウさんに捕まってしまった。
今日は本当に誰かによく捕まるな。
ウッドウによると映画は大人気だそうだ。
自分ではちょっと不満だったのに。

せっかくだからともう少しだけやってみることにする。
またもやレンタルポケモンだったが、今回はハーデリアだったのでなんとかリイヤの機嫌を損ねなくて済みそうだ。

「その内君たちと映画を撮りたいね」

そういったらみんな嬉しそうに返事をしてくれた。
うん、オレも嬉しいよ。
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