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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

始まりの物語

「ある場所に、ひとつの物語が存在しました。」

その物語を記したのは1人の少女。
長く長く続く物語は少女の全て。
そして今もなお途切れることなく紡がれていくのです。

「全てといっても、それは少女の夢。」

彼女が描いた夢たちなのです。
そう、少女の夢は途切れずに続いているのです。

「たとえありはしない空想だとしても。」

夢見る事、想像することは自由なのですから。
だから今も続いているのです。

「それは少女が女性になっても変わらない。」

ずーっと、ずーっと。
どこまで続くのか、どこで終わるのかは勿論彼女にもわかりません。
でもいつか、きっと素敵な終わり方を迎えるでしょう。






ぱたん、と大きく分厚い本が閉じられる。

「んー・・・」

その本を開いていた人物が大きく伸びをする。
膝の上には先ほどの本。
古びて色褪せたそれは多くの物語たちを書き記してきた。

「さぁ、これからまた新しい物語が始まるのね。」

その人物は『記録者』。
様々な出来事を記録していく者。

そして彼女はまた新たな物語を見つけた。
1人の女性が見つけた大切な夢。

たとえ空想だとしても、それはその人物にとっては大切な物語の一つ。

そんな大切な物語を記していくのが彼女の役目で。
これからどんな物語が紡がれていくのか、記録者の胸は楽しみでいっぱい。

― さぁ、楽しい物語の記録をさせてね!
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