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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Portable Doll ~Part 1~

「ぁ…」

ひらりと目の前の空間に現れたのは一通の封筒。
それを難なくキャッチし送り主を確認する。

「ん、またダイレクトメールか」

これは不要、と即削除する。

「はぁ…」

作業が終わって一つ溜息。
そしておもむろに視線を前へと動かした。
視線の先に見えるのは1人の背中。
先程(と言っても数時間は経っている)からずっと動かない背中の主は何をしているのかと言うと、本を読んでいる真っ最中だ。

現在メールが6通と不在着信が9件、留守電が3件。
そろそろ昼食時だから一定感覚でいづれかが届く(送り主は友人たちだ)。
ちなみに今の時刻は11時59分。
今の俺が唯一『聞こえる』声を出せる時が近づく。

カチッと内蔵されたタイマーが12時になった瞬間。

「チャッチャーチャ、チャーラーララ--…」

もうだいぶ慣れた風に着メロを『聞こえる』声で歌う。
その声に気付いた背の主は、本に栞を挟み閉じると、ようやくこちらを向いてくれた。

見えるのは20になったばかりの幼さが抜けた顔と蒼い宝玉のゆおな瞳、普段結われている髪は今は下ろされ、その色は陽に輝く金色。
青い瞳はひたと見据えられたらきっと誰もが動きを停止させるだろう力強さを持っている。

そんな不思議なまでの力強さを持つその人物は、ゆっくりとそれを手に取った。

「…メールが6通、内KCから1件と友人から3件に学校から2件。不在着信が9件と友人からの留守電が3件入ってる」
「あー…KCのを開いて」

『俺』が用件を伝えると、一番重要だろう件を選択された。
その言葉通りに電子パネルを出現させて『重要な案件』と書かれたメールを表示する。
パネルに映った文面を読み上げたその人物は『俺』を見やって口を開く。

「十分データは取れたみたい。問題もないようだって」
「ほんとか!?」

伝えられた結果に、『俺』は目を輝かせる。


『俺』ことシュウは、神薙カンパニーが今年中に発売を予定している多機能性人形型機器『Portable Doll』、通称PDのプロトタイプ最終型だ。
人形型とあるように、俺たちはロボットでありその大きさはなんと15~20cmと小さい。
それでも見た目だけなら本物の人間とまったく同じだ。
機能としては電話やメールに始まり、ネットやテレビなんかも見られる。
知能もあるので先程のように会話することも可能だ。
発売にあたっては外見もある程度好みに応えたいとの事。

そんな開発最終段階である現在、俺たちプロトタイプ最終型は幾人かのモニターの許で数ヶ月のテストを行っているところだったが、それもどうやら終わりのようだ。
この後俺たちは一度回収され、発売用のロボットが作られる。

「数日中には回収するって。それからプログラムを弄ってだから、来月には戻れるんじゃない?」
「そっかー」

俺のモニターである金髪碧眼の人物---レイナは、俺を手の平に乗せて言う。
『戻れる』というのはモニター契約したときの項目の一つらしい。
どうも俺たちはモニターテスト後プログラムを再調整し、そのまま使われることになっているのだとか。

「うー…俺が離れても大丈夫?」
「ん、元々なくても平気だったからね」
「……」

俺の存在意義ってあるのかな、と彼女の許に来て十数回目の疑問であった。







とうとう始まりましたPortable Doll 。
機械な彼(製作者に似せただけ)と女帝様。
本作では女帝とヘタレ(酷)の年齢を管理人と同等まで引き上げた上で他の登場人物にも同じ数を上乗せしています。
つまりドラレコと違い全員+4歳ってことです。


↓↓裏話↓↓


設定にもあったようにPDを作ったのはシュウ青年です。
そしてなんと彼、今回のモニター役選考の際に規定人数+αとしてレイナを強制参加させちゃいました。
というのも、本人は当初開発にしか興味なかったのですがうっかりモニター特典知っちゃったからです。
そして折角だからと彼女用のプロトタイプはシュウが手がけ、ついでとばかりに外見や性格もほぼ一緒にしました。(待
(このことは開発参加者+αはまったく知らなかったので止める事ができませんでした。哀れ。)
そしてレイナちゃんは本人も吃驚な感じで気に入っちゃうのですが、なんか色々気に食わなかったのでちょっとツンツンしてるんです。(←
でもその後はすっごく可愛がってるんですよ、シュウ青年がSITTO☆しちゃうくらいに。笑。
「元々なくても平気」って言ったのはツンの現われです。
最初言われた時にPDは(涙出ないけど)本気でないたらいいと思います、絶対可愛い。(ちょ
んでもってシュウ青年にも当然ツンがいっちゃってとっても凹めばいいと思う。
それこそまさしくヘタレ男☆
でもこの作じゃもう少し脱☆ヘタレになってくれなと色々と面白くない。(…

てことで、それにむかって頑張りましょう。(←!?
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