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古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。
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「……」
「マスター、いい加減認めたら?」
「ちょっと静かにしてようか」
「でも…」
道のど真ん中で立ち尽くすレイナに、彼女の肩に乗ったPD(愛称しー君)は仕方ないなとホログラムパネルを出し、どこかに接続する。
表示されたのは立体の街並みを模した地図。
「マスター時間ないんだから早く行くよ」
「…はい」
今現在レイナとしー君はイステアの都市を徒歩で移動中。
この広い建物ばかりのイステアを徒歩で移動しているのにはちゃんとした理由があった。
「あ、ドクターからの通信」
「げっ」
レイナが呻くのとほぼ同時に地図の横に新たなホログラムパネルが出現する。
そこに映し出されているのは今回徒歩で移動となった原因が写っていた。
『レイナ、遅い。ちゃんと地図を使ってくれ』
「……」
『レイナが地図を使ってくれなかったらナビゲーションシステムの実験にならないんだからな?』
「だったら自分で!」
『だってレイナ迷子癖あるし』
「マスターここ不慣れでしょ」
原因―――シュウ青年と己の肩に乗るしー君から図星を指されたレイナはとうとう不貞腐れたのか横を向く。
『とりあえずレイナはゴールまでちゃんと来ること。今日はそれで終わりだから、昼食は一緒に、な?』
「高いの食べてやる」
『はは、ほどほどにしてくれよ』
シュウはそう言い残すと通信を切った。
通信の切れたホログラムパネルを消したシー君は道に佇む己のマスターへと声をかける。
「マスター、行こう。今度はちゃんと地図使ってね」
「……ええ」
その後ちゃんと地図を使い目的地へと彼女が着いたのは、午後をいくらか過ぎたころだった。