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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

Dramatic Record ~Part 28~

「見ての通り、ここには以前一つの集落があったわ。私の、両親の生まれた場所。今はもう廃墟だけど」

集落跡の中を歩き進めながら、懐かしむように目を細め先を見つめる。
どうして廃墟となったのか訊きたい気はしたが、なんとなく彼女の発する雰囲気からは訊き難くて。
代わりの様に別の質問を投げかけた。

「ところでさ、どうして今回俺を連れてくる気になったの?」
「あー…」

実は今回、何の説明もなしに行き成り着いてこいとだけ言って連れてこられたのだ。
数日ほど姿を見せず戻ってきたと思った途端にこれだ、彼女に訊きたい事は沢山あるがとりあえずはと、その理由を問うことにした。

「君の故郷の話は何度か聞いたけど…誰かを連れてくるのは初めてだよな」
「そうな。あれ以来、此処にはほとんど来なかったし…」

“あれ以来”というのがここが廃墟となった原因なのだろうが、ここで何があったのか知ることは出来ない。
こうして考えると自分は彼女のことに対して知らないことが多いのだと思い知らされる。
彼女自身語ろうとしないし、こちらから訊いても上手くはぐらかされてしまうのだが。

シュウが自身の思考に囚われていると、前を歩いていたレイナが急に立ち止まった。

「レイナ?」

どうしたのかといぶかしみながら声をかけた彼に顔を向け、彼女は言葉を発する。

「ここ、みんなのお墓なの」

そう言って前を向き直した彼女の視線に先には石を積んで作られた小さな山。
なんとなく、一族に何があったのかを察することが出来る。

「今日は、墓参りと報告を兼ねて…ね」
「報告?」

いったい何のだろうと首を傾げていると、レイナは「ふふ」と楽しげに笑い続きを言った。

「そ。古い約束を果たせたことを報告にね」
「約束…」
「それと--…」

次いで告げられた言葉に、今まで不思議そうにしていた顔を真っ赤にさせて硬直するシュウの姿があったとか。

---私に大切な人が出来たって言うお知らせよ。







おっと、まさかの展開に月代さんも吃驚です。
まさかまさかのレイナちゃんからとかとかとかっ!!
しかも墓前。(笑
よかったね、シュウ君。

次回29話、姫様を彼氏の家へご招待~Part 1~
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