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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~Part 46~

「甘い」

言ったのはシュウだ。

彼はビャクヤが魔力を込めると同時に指に挟んでいた鈴を握りこみ、鋼糸を手にからめとると勢いよくそれを引いた。
すると張り巡らされていた糸がその動きによって跳ね上がる。
その上に乗っていたレイナは膝をバネに、さらに跳躍した。
当然のことながらビャクヤの放った魔弾は全て当たることはない。

「コウリュウ!」
「ああ!」

レイナは跳躍した後鋼糸を足場にコウリュウへと攻撃を仕掛けに行く。
スルスルと上手く移動するその姿は遠目には空中を何もなしに動いているように見えるだろう。

「すごい…」

ポツリと漏らしたのは誰だったのか。
4人の戦闘に魅入る者たちが息を飲み込み見逃すまいと必死になる中、誰かが零したその声は、決して大きい声ではなかった。
けれどその声は多くの人の耳に届いていて。
誰もがその声に賛同する。

目の前で行われている戦闘は凄絶にして壮絶。

ヒラリヒラリと鋼糸を使い舞う様にして攻守するレイナと、彼女がそう在れる様にサポートするシュウ。
巧みな連携により攻撃を繰り返すコウリュウとビャクヤ。
どちらも引けを取らない。

「ビャクヤ、シュウを狙え!」
「りょーかい!」

コウリュウの言葉にビャクヤは頷くと、黒銀の照準をシュウへと合わせる。
そのまま再び魔力を装填すると、引き金を引いた。

「レイナ!」

シュウはパートナーの名前を呼ぶと、指を、腕を動かす。
すると鋼糸が蠢き彼の前へと集まる。
シュウは左手の動きを止めるが右手は動き続けたまま。
ビャクヤの放った魔弾が彼の前に集まり張られた糸へ届く寸前、それよりほんの手前で輝く何かが見えた。

「あれは…」

あれは、動き続けている右手に繋がる鋼糸だ。

「掻き消せ、瞬禍」

その言葉と共にビャクヤの魔弾が切り裂かれ消失した。
瞬禍の糸が攻撃を相殺したからだ。

「やっぱ、通じねぇか」
「当然!」

言って、互いに次の動作に移る。

シュウは止めていた左手を動かし絶禍の防御を解く。
ビャクヤも再び魔力を込めようとした時だった。

「ビャクヤ左だ!」

コウリュウの叫ぶ声とヒュッと耳元で唸る音。
咄嗟にビャクヤは黒銀でガードする。

攻撃してきたのはコウリュウを相手にしていたレイナだ。

漆黒の鞘で打ち付けられた黒銀を通してその衝撃が伝わってくる。
ついで繰り出された左からの斬撃は何とか間に滑り込んだコウリュウが防いだ。

「大丈夫か?」
「おう」

ギィン!と甲高い音を立てて刀を弾き返し、コウリュウとビャクヤは一度距離をとる。
レイナも距離を開ける為か軽やかに後方へ跳び退っていた。

「さすが、レイナだな…っ」
「それはどうも」

シュウとビャクヤの攻防(僅かな時間ではあったが)の間に2人は激しく何合もやりあったのだろう。
コウリュウは肩で息を、レイナも軽く息を切らせている。

「ビャクヤ、相手交代」
「わかった」

コウリュウとビャクヤはレイナには聞こえない程度の音量で話す。
その間も2人の視線はレイナとシュウから外されることはなく。
話し合いの済んだ2人は獲物を構え直すと、互いの標的へと駆けた。







大人気ない大人が2人とやんちゃな子供が2人。
レイナちゃんがシュウ君の鋼糸で宙を舞うのが書きたかったんです☆(←

あ、ちなみに。
スタミナは魔力量に比例してるところがあります。
魔力多い人はスタミナ多い人がほとんどだったり。
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