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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

Dramatic Record ~Part 47~

「ねぇ、これ…」
「ああ…」

「既に手合わせの域じゃない(ねぇ)!!!」

観戦者の心が一つになった瞬間だった。


◆◇◆◇◆


4人が手合わせを開始してからおよそ1時間ほどだろうか。
その間中ずっと激しい攻防が続いている。
今はレイナVSビャクヤ、シュウVSコウリュウで戦場(※実習場です)を駆けているのだが、30分ほどその状態が続いていた。
シュウもさすがにコウリュウが相手だと一所に留まるわけにもいかないようで、鋼糸を巧みに扱いコウリュウと組み打ちながらも時に攻撃をいなし、時に攻撃を仕掛けている。
レイナはビャクヤの攻撃から上手く逃れられず、多少の苦戦をしているように見えた。

「紅桜、能力開放」

ビャクヤから距離を一旦取ったレイナは、愛刀を自身の前に翳し指を紅刃へと滑らせる。
すると辺りにリィィンと高く澄んだ音が響いた。

「っ、させるか!」

ビャクヤはレイナに次の動作をさせまいと魔弾を連続して撃ち込んでいく。
レイナの居た場所は土煙が登り、彼女の姿を隠してしまった。

「あーあ、ビャクヤの奴完全に忘れてるな」

そう言ったのは他の人と一緒になって4人の手合わせを観戦していたリュウオウだ。
彼の近くには他の有見所も居る。

「意外にあの2人熱くなり易いからねー」
「うんうん」

リュウオウに続いたのはコウヤとエンだ。
エンはしきりに首肯している。

「レイナ様は、だいじょ、ぶでしょうか…」
「だーいじょうぶだって!」

その横で心配そうにしつつも肩で息をしているのは、この件を聞いて慌てて来たのだろうサヨとルリ。
ルリの方は比較的平気そうだったが。
この実習場は広い分意外に校舎から距離があるのだ。

「あの、止めなくてもよろしいので?」

と、そんな彼らに声をかけたのはエミリアだった。
4人の近くに居たら危険だと判断し、観戦しているものたちの所まで来たのだろう、その判断は正しいといえる。

「むだ」
「え?」

エンの横に居たゴウが口を開く。
その言葉の意味がよくわからなかったのか、エミリアは聞き返す。

「あー…。あの4人は俺らじゃ止められないって事」
「ああ…」

説明をするのは当然のごとくエンだ。
それを聞いて理解できたのか、みな一様にして遠い目になった。

「緋刃」

と、土煙の中から声と友に紅い斬撃がビャクヤを襲う。

「あ、やっぱり」
「効いてないな」
「無傷ねー」

それを見て言葉を発したのは有名所、もとい幼馴染’s。
先程の斬撃による衝撃か、土煙が晴れてきており、その中に佇むレイナの姿が見えた。
彼女は幼馴染たちが言ったように無傷でピンピンしている。
ちなみに、ビャクヤも上手く避けて無傷だ。

「さて、そろそろ終わらせようか」
「……」

にっこり。
怪しく上がったレイナの口端。
やばい、と思ったときには既に遅く、ドガッと音を立てて彼は地面へと押し倒されていた(押し倒されていたレイナはというと、彼に馬乗り手首を踏みつけている)。
この瞬間男子生徒たちがポジション交代を願ったことをここに密かに記しておこう。

「コウサンデス」
「ん」

ビャクヤの降参を聞くと、レイナは彼の上から退き手を差し伸べた。
その手を取り起き上がった彼は思い出したように声を上げる。

「そういえばコウリュウたちは?」
「あっち。もう終わってるよ」

レイナは声と共に指差す。
みんなの目が一斉にそちらへ向かうと、鋼糸に絡め取られたコウリュウの姿。
その傍には満足げに笑うシュウの姿がある。
どうやら土煙の上がっている間に決着がついていたらしい。


◆◇◆◇◆


「予想以上でしたわ」
「だな…」
「「…?」」

彼女たちにとっては普通のことだったため、生徒たちの驚きの意味に気付けないレイナとシュウが居たとか。







まさかの押し倒す側になっちゃったレイナちゃん。
……予想外すぎるんですよこの子。
書いてるうちにね、気付いたらこんな流れになったりね。

ちなみに、ルリとサヨが来たのは4人による被害者が居たときのため。(爆
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