Dramatic Record ~Part 63~ 古びた書物の本棚 2010年10月18日 程よく出来た木陰の許、心地よいまどろみにたゆたう少女が1人。 そんな少女の頭の下には彼女の恋人である青年の足。 少女---レイナは恋人であるシュウの膝枕で午睡の中にいた。 もっとも、始めからこうであったわけではないのだが。 ◆◇◆◇◆ さて、とシュウはレイナの長い金糸を優しく梳きつつ思考の海に沈む。 そもそもなぜこうなっているのか。 それは実に単純であり、どこにでもあるような理由であった。 少し前、彼は今自分の膝を借りて眠る少女を探していた。 というのも最近彼女の様子があまり良くなかったからだ。 レイナはこの時期になると眠りが極端に浅くなる。 眠りが浅いだけでなく夢にも魘される様で、彼と出会った当初からよく飛び起きていた。 それは彼と出会うよりも前に原因があるのは明らかで、もう随分と経つのに未だこうなってしまうほど彼女の中に根強く残っている。 そして流石の彼女も十分な睡眠を取れない状態が何日も続くと疲れが溜まるというもので。 この時期は出来るだけ視界の中に入れるようにしていたというのに、シュウが少し目を話した隙にどこかへと行ってしまったレイナを探し出したときには既に木陰の下でうつらうつらとしていた。 このままにしてはおけないとシュウが近寄り声をかけようとしたその時、レイナの体から力が抜け傾ぐ。 咄嗟にシュウは彼女の身を支え、隣に座ると自分の膝を枕にレイナを横たえさせたというわけだ。 ◆◇◆◇◆ そして今現在、先程と変わらず膝にはレイナの頭。 眉間に少し皺が寄っているものの呼吸は穏やかだ。 その様子を見つつ自分も欠伸を一つ。 どうやら彼女の眠るさまを見ているうちに、自分にも睡魔が忍び寄ってきたらしい。 ここは一つ天気もいいことだし身を任せてみるか。 そう思うと行動は早い。 上半身を屈め、少し無理な体勢ではあるもののレイナの額に口付けを一つ。 どうか彼女の眠りが穏やかでありますように。夢に魘されることのないように。 そう願いつつ、自身もまた夢路へと旅立った。 ~おまけ~ 「ん…」 ゆっくりと、視界が開ける。 目を覚ましたレイナは寝起きによりぼっとした様子で周囲を見渡す。 「・・・・・・」 そして目に入ったのは、シュウの寝顔。 なぜ彼の寝顔が上にあるのか。 「・・・・・・いいか」 未だ傍にある睡魔に思考を放棄し、彼女もまた再度夢路へと旅立った。 お題No.22 たまには甘く。 本当は57話の後に続くはずだったお話なので繋がってます。 時期的には8月。PR