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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

Dramatic Record ~Part 33~

静かな室内、時折聞こえる音は紙をめくる僅かな音だけ。
それ以外には特に聞こえる音もなく、静かな時が流れる。

「レイナー」

そんな静寂を破る声が一つ。
声の主であるシュウはソファーに座りその背へと組んだ腕を乗せている。
組んだ腕に乗っている頭、視線の先には本を読む少女の姿。
シュウの隣に座っていた彼女は手元から目を逸らすことなく返事をしてやる。

「なぁにー」

少女-レイナ-から返事がきて嬉しかったのかシュウは組んでいた腕を解くとその腕を彼女の腰へ回す。
最近は努力の甲斐あってかこういった触れ合いもさせてくれるようになった。
シュウはそのままレイナの肩口へと甘えるように顔を埋める。

「本ばっか読んでないで構えー」
「いやだー」
「うわ、ひでぇ」

返ってきた言葉に特に気にする様子もなく、肩に顔を埋めたままクスクスと小さく笑い声を上げ、腕の力を強くした。

「…邪魔」
「これくらいいいだろ」
「むぅ…」

邪魔と言いつつも実力行使(悲しいかな、レイナが本気で抵抗すると大の大人でも抑え込むのは難しい)しないのは彼女なりの優しさなのか。
それきり言葉もなくなった二人に、室内は再び静寂に包まれる。
聞こえてくるのは一定のリズムを刻むページをまくる音だけ。
どれくらいそうしていたのか、今度はレイナによってその静寂が破られた。

「ねぇ」
「ん?」

先程からずっと同じ体勢のシュウは顔を埋めたまま気のない返事をする。
さっきとは逆だな、と小さく笑ったレイナはそれには構わず言葉を続ける。

「私さ…」
「うん」

ゆっくりと、言葉を紡ぎ。

「こんな性格してるけど」
「……」

静かに聴くことで続きを促す。
いったい何を言うつもりなのか。

「……ちゃんと愛してるから」
「………っ!」

投げられたのは、とんでもない威力を持った爆弾だった。
シュウの顔は真っ赤。
見事赤くなったまま固まった彼が復活するのは…さていつになることやら。







この前追記でちょっと書いてみたのを書き直してUP。

きっとレイナちゃんはこうやって不意打ち的に愛の言葉をささやくんですよ。
普段はツンツンツンデレくらいなのに。(笑
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