Dramatic Record ~番外 6~ 古びた書物の本棚 2010年05月27日 ●内容 コウ兄弟女装話。(ぁ ちょっとどころかかなり楽しかったです。 俺は世間一般と違うからと言って特に偏見は無い。 むしろ合っているのだし良いのではとも思っている。 それにあいつ等も俺と似たような意見のはずだ。 だから俺はお前のやりたい様にすればいいと思っている。 確かに思ってはいるんだ。 「ねぇ兄様。この色とこの色、どっちが似合うと思う?」 「だから俺を巻き込むなああぁぁぁぁ!!!」 俺が思わず叫ぶのも無理は無いだろう。 ◆◇◆◇◆ 俺ことコウリュウには双子の弟がいる。 双子なだけあって顔はとてもよく似ているが、髪や瞳の色、性格は違う。 と言うのも先ず俺たちは似てはいるが一卵性ではないしもっとも多感な時期にまったく違う環境下にいたからだ。 とは言え今はほぼ同じ生活である。 そんな弟、コウヤには少々変わった趣味があった。 それはと言うと。 「えー、絶対似合うってば。だからどっちがいい?」 「確かに俺はお前と同じ顔だ!だがな、趣味まで同じじゃないぞ!?」 纏め上げ大輪の花で飾られた艶やかな髪、上げられた事により晒されている白い項。 そして薄く引かれた紅。 男にしては細い四肢が纏うのは金糸で花の刺繍が施された赤いチャイナドレス。 側面に入れられたスリットはかなり際どい。 そう、コウヤの趣味とは女装である。 それも元々綺麗な顔をしているため違和感はまったく無い。 それはつまり、兄であるコウリュウも同じということになってしまう。 「兄様もたまには、ね?」 「ね?じゃない!」 「えー」 まさしく美女となったコウヤは同じ造りの白と黒のチャイナを手にコウリュウへと迫る。 ちなみに白には金で鳳凰が、黒には銀で昇龍が刺繍されている。 弟に迫られている兄は必死だ。 自分にはそんな趣味はないし男としてのプライドがある。(コウヤにも一応プライドはあるらしいが。) 何度も言うが自分は女装癖があろうと偏見するつもりは無い。 ただし、自身の身に火の粉が降りかからなければ、だ。 「コウヤ」 「なぁに?」 兄からの呼びかけに、コウヤは可愛らしく首を傾げて答える。 20歳という年齢なのに可愛らしいとは如何なものか…。 同じ顔と言うこともあり非常に複雑だ。 「悪いが逃げさせてもらう!」 言いながら振り返り、さぁ逃げよう!と走り出そうとした時だった。 ピキッと固まったかのように、身体が動かなくなった。 「………」 「ふふ、ゴメンネー」 その状態には、覚えがあった。 そろそろと、自由に動く視線を下へと向ける。 そこに見えたのは自分の影につながる黒い何か。 更にそれを辿った先にいたのはレイナと、カメラ片手に準備万端なルリ。 その少し後ろには化粧道具一式を持ったユキメとサヨがいた。 「コウ、逃げられると思わないでね?」 「大丈夫、綺麗に撮ってあげるから☆」 「メイクは任せて」 「あの、すみません…」 瞬時に悟った。 コレは逃げられない、と。 彼女たちが結託しているのならどう足掻いても無駄だろうから。 その数瞬後に響いたのは、彼の悲鳴だった。 後日、この時取られた写真はアルバムへと保存されることになったそうな。 ========== レイナちゃんの『黒い何か』については後日やります。PR