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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

いい加減理解してください

「だから、道、わかんない、って言ってる、のに…っ!」
『だ、大丈夫ですか?』
「大丈夫じゃ、ない!」

またもや置いていかれた彼らは必死に走ってアーティたちを探していた。
さすがに息が上がっている。
身体の構造はポケモンと違うためにダリアよりもずっと早くに息が上がっていた。
そんなレイの横を平然と、しかし大丈夫だろうかと気にしながらダリアが併走する。

「いたぁー!!」
『いました、ね』

あちこち走り回り(街の端から虱潰しに探した)ようやくアーティを見つけたと思いきや、「あっちだ!」と言って走り去った。
既にへばりかけているレイはまだ走るのか!と悪態を付きつつも、その足を止めることはなかった。

レイが追いついたとき、アーティは建物の入り口に立つ下っ端たちに迫っていた。
下っ端たちはその気迫に怯え墓穴を掘りまくっている。

「アホだ、アホがいる…」
『それはちょっと、直球過ぎるかと…』
「アホって言うなー!」
「いや、墓穴掘ってる時点でアホだろ」
「っく…言わせておけば!ガキ、勝負だ!」
「望むところだ。いくよ、ダリア」
『はい』

◆◇◆◇◆

「はは、オレの勝ち♪」
「くっそぉっ!」

ポケモンの相性とレベル差で、数分の後にはプラズマ団の下っ端はやられていた。

「お、ひ助熱湯覚えたのか」
『おうよ!』
『おめでとうございます、ね』

ひ助ことヒヤップは今の戦闘で熱湯を覚えたらしい。
レイとダリアの祝いの言葉に陽気に答えている。

「マズイ…マズイマズイマズイマズイマズイマズイ。プラズマ団としてマズイ。縮めてプラズマズイ!」
「いや、おかしいからソレ」
「とにかく七賢者様に報告しないと…!」
「おい人の話し聞けよ。……っち」
「(レイ君って以外に黒いな…)」

慌てて建物内へと入っていった下っ端たちに舌打ちしたレイを見て、アーティはレイの黒さを垣間見た気がした。
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