Dramatic Record ~Part 15~ 古びた書物の本棚 2010年02月08日 「あ」 パキ、と何かの割れる小さな音。 その後に続いたのは小さく漏れた声。 その瞬間、少女の内包する魔力が膨れ上がった。 「うわっ!?」 「ちょ!」 「あー…ごめんごめん」 膨れ上がった魔力は少女を中心に渦を巻き、激しい風を起こす。 その勢いに周囲に居た生徒たちが悲鳴を上げた。 しかし当の本人---レイナは、実にのんきな様子。 そして彼女が謝ってすぐ、魔力の奔流が掻き消えた。 「レイナ、どうしたの?」 少し離れた場所で他の生徒を相手していたシュウが駆け寄ってくる。 「んー、魔器が壊れた」 「ぇえ!?」 よく見ると彼女の右手に嵌められている2つの指輪の内1つが、ひび割れ壊れていた。 本来指輪はその様には壊れないのだが…。 「えー…面倒だなぁ」 「面倒がるな!」 魔器ってできるまでに時間掛かるのに、とぼやきながら、壊れたそれを指から外す。 これはもう使い物にならない。 「今回はまだもったほうじゃないか?」 「アサキ先生」 魔法学の担任であるアサキが他の生徒に指示を出しながらこちらへ歩いてくる。 ひとつに結い上げた新緑の髪と浅黄色の瞳、男性の様な口調で性格も実に男らしい女性教師だ。 「前のより強力なのを作ってもらったのに…」 「まぁ…」 「あんたの場合はねぇ…」 なにせレイナの魔力は誰よりも強く右に出るものは居ないほど。 その強い力を抑えるために本来の役目とは真逆の、特殊な魔器を作ってもらっているのだ。 普通の魔器でさえ1つ作るのに時間が掛かるのに、特注ともなればなおさらの事。 更にその分のお金も掛かってくる。 もっとも、いつも作成を頼んでいる職人が彼女の事を気に入っているようで値段は格安だが。 「替えは?」 「ない」 即答である。 普段は替えの魔器を用意してあるのだが生憎と今強化してもらっている最中で。 強化と新しいのを作ってもらうのとでまた出費が、と彼女の眉間に深いしわが刻まれた。 「頼みに行かなくちゃ…」 「ちゃんと行けよー」 「レイナ早退、と」 他の先生にはちゃんと説明しておくから、と言われて。 そのままにしておくわけにもいかず、結局細工職人の所へ行くこととなった。 レイナちゃんの魔器が壊れたらどうなるのか、こうなります。 本人ものぐさな面があるので非常に面倒そうだ。(… ●魔器について。 ↓作る工程や仕組み。 先ず、素材自体は普通の金や銀などの金属、宝石です。 金属の場合は加工する際に特殊な生成法をします。(※この辺まだ詳しく考えてない 後は鋳型で型を取ったりして形を作る。 出来たら表面に魔方陣を描くなどの細かい細工を施します。 宝石にそれをやっちゃうと傷物(←)になっちゃうので大抵は金属の方に細工するようです。 大抵の細工職人は多かれ少なかれ魔力を持っているので魔法陣を描く時に効果を発揮出来る様魔力も籠める。 その籠める魔力の量によって同じ魔器でもそれ自体の力の強さが変わってくる。 籠められた魔力が尽きると壊れる。 ↓主な魔器の種類 ・増幅型 最も一般的。 装着者の魔力を増幅させる魔方陣が描かれているので一時的ではあるが魔力量の底上げが出来る。 増幅させるだけなのであまり壊れることはない。 ・蓄積型 これも結構一般的。 装着している間少しずつ魔力を吸収、魔器に溜めこめる。 溜めることの出来る魔力の量は決まっていて使う時は魔器を壊す。 ・サポート型 それ自体が何か魔法を発動できる。 ただし使用回数は1回限りで発動終了すると壊れる。 ちょっと高値で一回しか使えないので不人気。(爆 ・結界型 レイナが使っているのがこれ。 通常ではありえない装着者の魔力を抑える物。 必要とするのはレイナくらいなうえに籠める魔力に限界があるため結構作るのが大変。 作者曰く『魔方陣施すだけで魔力尽きそう』。 苦肉の策として蓄積型と増幅型の技術を応用している。 ちなみに平均2~3ヶ月に1,2個壊れる。PR