悪は悪であってそれ以外にはなりえない 生体記録 2010年09月19日 「オレ、前にも言ったよね。君たちのやってることは結局のところ悪でしかないんだって」 また、あの人が言う。 私の大切なトレーナー。 友達だと、仲間だと、家族だと言ってくれる、優しい声と手を持ったあの人。 私はあの人をじっと見上げる。 「前にも言ったのに、どうしてわかんないかなぁ」 トレーナー、レイは呆れたように言う。 カリカリと己の頬を軽くかき、目の前の盗品を抱える人物を見つめる。 その人物は既に何度か相対しているプラズマ団の下っ端。 博物館から奪った大きなドラゴンの頭部の骨を抱え、レイの気迫に呑まれながらも気丈に言い返す。 「そ、それがどうした!ポケモンを人間から解放するためにはそうするのが一番なのだ!」 「じゃぁ聞くけど、全てのポケモンがそれを望んでいるのかな?」 「・・・・・・っ!」 答えられないだろうね。 だって、ポケモンの中には人と在る事を望むものがちゃんといるのだから。 「まぁ、いくらいっても君たちは通じないのだろうけど」 遠くから足音が聞こえる。 今回はこの辺にしておくか、と場を満たしていた威圧感を霧散させた。PR