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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Play6

いくつか撮影をしてみて満足したオレは、みんなを連れて元来た道を戻る。

ゲートを抜けてタチワキシティに戻ってきた。
そのまま街の中を散策していると、町はずれでヒュウ兄を見つける。

「あれ、ヒュウ兄だ。タチワキシティに居たんだ」

ヒュウ兄の姿を見止めたオレは、声を掛けようと近づいていく。
するとヒュウ兄の傍に小柄な影がある事に気付いた。
よくよく見ると、その小柄な影はホミカちゃんの様だ。
どうして2人が一緒にいるのだろうと不思議に思って更に近づいてみると、2人の他にまだ人影がある事に気付く。

建物の影、町の端に黒尽くめの影が3つ。
どこかで見た事のある影だ。
ゆっくり近づいていくと、その影が以前牧場で見かけたのだと気付く。

「あんたら……もしかしてプラズマ団?」

ホミカちゃんたちの声の聞こえる範囲まで近づいた。
プラズマ団であるかどうかの確認しかしていないホミカちゃんに対し、そうだと答えたプラズマ団の男は聞いていないこともべらべらと喋っている。
随分お喋りなんだなと思いながら、オレはさらに距離を縮めた。

「……口を閉じろよ」

ヒュウ兄が一歩前に出て言う。
その声には怒りの感情が込められているみたいだ。

「ポケモンを救うと言いつつただのポケモン泥棒だった最低のお前らだ…許してもらえると思うな…!」

ヒュウ兄の過去の事はよく知らない。
けれど、彼らの間に何かあったのではないかと思わせるものが確かにあった。

「牧場ではヨーテリーに追いかけられるしここじゃ絡まれるし、いい事ないな」
「まあいいじゃないか。ここでこいつらからポケモンを奪えば」
「準備が出来たらかかってきな」
「……お前たちも、新しい作戦とやらも、ここで潰す。プラズマ団は絶対に許さない」

そうして各々に、バトルが始まった。


*****


「はは!お前のポケモンさくっと頂戴して世界征服に使ってやるよ!」

かつてはポケモンを解放することを大義名分に掲げていたプラズマ団は、どうやら完全に世界征服を企む組織となったのだろうか。
隠すこともせずそう叫んでポケモンを繰り出してくる。
人のポケモンを使って世界征服だなんて、言われて気分のいい人なんて絶対にいない。

「いけ!ミネズミ!」
「とんとろ、頼む!」

相手がミネズミを繰り出すのに対し、オレはとんとろを繰り出した。
とんとろもやる気満々で、手加減なんてしちゃくれなさそうだ。

「とんとろ、ニトロチャージ!」

あまり素早くないからとニトロチャージを指示する。
それに対してミネズミは我慢を繰り出してきた。

『シオン、どうする!?』
「ターンをかけたらまずい。一気に倒す!」
『判った!』

オレの指示に的確に答えてくれたとんとろのおかげでミネズミのがまんが解かれる前に倒すことができた。
やっぱりいい相棒だと戦い終えたとんとろの頭をなでてやる。

すると、とんとろの身体が光り出す。
光に包まれたとんとろの身体からその光が消えるころ、彼はチャオブーヘと進化を遂げていた。

「まさか、こんな子どもたちに不覚を取るとは…」
「クッ……逃げるぞ!」
「う、わっ!?」

どうやらヒュウ兄とホミカちゃんもバトルに勝ったようで、負けたプラズマ団の人たちは悔しそうにしながらもさっさと撤収していった。
うん、ヒュウ兄はともかくホミカちゃんはジムリーダーだから負けるなんて思ってなかったけど。
彼らが逃げる際に突き飛ばされたオレは無様にもしりもちをついて、彼らを逃がしてしまった。
ヒュウ兄は悔しそうに、ホミカちゃんは手分けして探そうと言って走っていってしまった。

と、思ったら急に立ち止まったホミカちゃんがこっちを振り向く。

「……負けていたら、大切なポケモンを取られてた。あんたたち、アリガト」
「え、あ…いや…」
「これ、使いなよ!」
「わ、わ!」

少し照れくさそうにお礼を言ったホミカちゃんにつられてなんだか少し照れていたら、急に彼女が秘伝マシン「居合切り」を渡してきて。
慌てて受け取って「貰えないよ」と言おうと顔を上げたらそこにはもうホミカちゃんの姿はなかった。

「は、早い…」
「それ…秘伝マシンだな」

オレの手元を覗き込んだヒュウ兄が言う。
そのままこの技がどういったものなのかを説明してくれた。
うん、ありがとう。

走り去っていったヒュウ兄の後をオレも追おうと歩みを進めつつ。

「本当に、君たちを取られなくてよかった」

ボールに戻したとんとろ達を撫でるかのように、そっとボールに触れてやり。
触れたボールは、自分たちもだと言わんばかりにかすかに揺れた。
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