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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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小ネタ2

*兄君と闇*

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・何やってんだ」
「うん、ちょっとね」
「ちょっとじゃねーよ、なんで崩壊してんだ」
「・・・・・・」

部屋に戻ると、そこは崩壊した本に埋め尽くされた空間でした。

「笑えねぇし」
「はは」

そんな崩れた本の中に埋まっているのは、髪も瞳も服までも真黒な御仁。
この世界においてすべての闇を総べる王でありすべての闇の親。
闇とは魔物、つまりこの御仁は世間でいうところの魔王であった。

「で、なんでここにあんたが居てこの空間はこんなことになってんだ」

そもそもここに居たはずのアイツはどうした、と軽く睨むようにして問いかけると。

「あー…逃げられた?」
「やっぱりか」

いつもの様にいきなり現れて構おうとしたら逃げられたらしい。
山積みだった本を崩して。


*弟君と苦労人*

「だー!ちょっとは落ち着けよ21だろ!?」
「えー!?」

溜まらないといったように声を上げたのは漆黒の髪に深紅の瞳の青年。
それに反抗するように声を上げたのは紫の髪と瞳の女性…ではなく青年だった。
漆黒の青年の言葉に男性らしからぬ仕草で頬を膨らませた紫の青年―――コウヤは渋々といった態で落ち着きなく動かしていた体を止める。
そんなコウヤの様子に漆黒の青年―――エンは疲れたように息を吐き出している。

「オレ、コウリュウが申し訳なさそうにしてた意味が分かったぜ…」

今回はコウヤとの買い物で。
出がけにコウヤの兄であるコウリュウ(本人は用事があって来れなかった)が非常に申し訳なさそうにしていたのがよく判った。
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