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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~Part 59~

※前提
  ・色別対抗ではなく学科対抗。
  ・一般、能力者入り乱れ(一部例外有り)
  ・レイナとシュウは身体能力が高いためハンデとして重り着用。





バサリと翼をはためかせ、白く大きな竜が大空を舞う。
巨体の下、本日の会場となっている実習場には学園の生徒のほぼ全てが集まっており、場は熱狂的な空気が満たす。
その様子を白く大きな竜、白九龍のちーの背から見下ろしていた男はおもむろにマイクを手にし。

『今年もやって来ましたこの季節!本日快晴絶好の体育日和にございます!午前の実況は放送委員会のソラにございます!わたくし竜の背に乗るのは初めてでして普段高いテンションがますます上がっております!さぁさみなさん獅子奮迅の勢いで本日は頑張ってください!!』

と、調子よく声を張り上げた。
ソラの声はちーの手に持たされているスピーカーを通して地上の生徒たちへと伝わる。
彼の声に元々高かった生徒たちのテンションは更に上がっていく。

『ここで今一度体育祭の説明をさせていただきます』

地上に設置されたスピーカーから聞こえてきたのはエミリアの声。
上空のソラとは違い落ち着いた声で彼女は説明していく。

『我が学園の体育祭は2日に渡り開催されます。プログラムはお手元のプログラム表をご覧ください。
 会場のご案内は表にも掲載されていますが体育祭執行本部頭上に設置してありますパネルにもございます。
 簡単な説明ですがエリアAは1,2年生、エリアBは3,4年生、エリアCは5,6年生、エリアDは7,8年生となっております。
 また、青い囲みは執行本部、赤い囲みは救護班本部となっております。
 会場周辺は常に執行役員が巡回しておりますので何かありましたら声をおかけください』
『1日目第一競技がまもなく開催されます。参加者はただちに各エリア内へお集まりください。繰り返します---…』

一通りの説明を終えたエミリアが放送をきると、そのあとに参加者を促す放送が入る。
その放送を聞き第一競技参加者が会場内を移動し始め、こうして体育祭1日目が幕を開けた。


◆◇◆◇◆


いくつかの競技が終了し、太陽も真上へさしかかろうとしている。
実習場では変わらず生徒のテンションが高く、それは留まる所を知らないかのようにますます上がっていく。

『さて、次の競技はこれ!『借って仮って狩りまくて☆ドキドキ借り物競争』です!!』
『誰だこんなふざけたタイトル考えた奴!!?』

ソラが読み上げた次の競技のタイトルに、会場内から笑いが沸き起こる。
そんな笑い声に負けず劣らずの音量(マイク越しではあったがそれを差し引いたとしてもデカイ)で怒鳴ったのはリュウオウだ。
彼は執行本部の机に勢い良く片足を乗り上げマイク片手に激昂している。

『あ、それオレ♡』
『お前か!!』
『旦那が怒ったー♡』
『てめっ、待ちやがれ!!』
「・・・・・・・・・」

リュウオウの持つマイクを通してエンの声が聞こえる。
犯人(?)が判った途端、リュウオウは握っていたマイクを放り投げエンを追いかけ始めた。
毎度の事にエンも心得ており、リュウオウが動き出すのと同時に彼もまた走り出していた。
そんな2人の背に(既に遠くなっている)「先生マイクを投げないでください!」と生徒が言うが、最早彼らに届くことはないだろう。

『あー…と、エン先生とリュウオウ先生は追いかけっこ始めましたね。気を取り直して競技の説明をさせておらいまっす☆』

2人の遣り取りを上から見ていたソラが空笑いをしつつも気を取り直し競技の説明をする。
曰く、本競技は『狩人に仮装した選手がレーンを走り、途中で拾ったリストに載った借り物を持つ生徒を狩りして(捕まえて)一緒にゴールする』と言うものらしい。

『獲物(笑)となる生徒は善意による自由参加となっております!獲物となった生徒にも得点が入りますので1位になる自身のある方は同じ学科の生徒を上手く捕まえてくださいね☆』

ソラの最後の説明に獲物(笑)となる生徒が増えたとか。
盛り上がる会場の片隅では他とは違い微妙に低い、もとい冷静な様子を見せる4人組の姿。

「今年は競技内容が変わってるのは知っていたがこれは…」
「あ、私これ参加だ」
「俺も」
「あーうん。行ってらっしゃい」

大丈夫かなぁと思いつつ、シュウとエミリアはこれから参加するらしいレイナとファゼを送り出した。


~おまけ~


『おおっと、我らが生徒会長のレイナ選手強運なのかそうなのか!どうやら上手く同じ学科の生徒を狩ったようです!速い、流石ですその脚力!重りが付いているというのに誰も追いつくことができない!!そしてそのままレーンを爆走し一着ゴールだあああ!!引きずられた生徒さんお疲れ様です!』
「・・・・・・重りの意味、ありましたの?」
「まったくないな」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・増やすか」

エミリアの恨みがましい視線に、レイナの重りを増やすかと真剣に考えるシュウの姿があったとか。







競技の内容を考えたのは体育委員。
きっとノリノリで考えたと思われる。
どうせならと前日に体育委員と委員会監督の先生(エン&ゴウ)が変なタイトルをつけて当日それを放送委員に渡したとか。

選手決めの時は普通に「100m走」や「かりもの競争」としか言われていなかった生徒の皆さんお疲れ様。
ちなみに100m走は『心臓バクバク全力疾走☆逃げなきゃ喰われる100m』。
体育委員とエンによる傑作。(爆

あと、女帝は異常なほどに身体能力が高い。
ヘタレも他から考えると高いけど。
それからものっすごく強運。吉祥天女。(違
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