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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~Part 64~

エリアル学園の正門、普段は人の出入が少ないそこはしかし、この日は違っていた。
花飾りで飾られているその門の上には『学園祭』と書かれた看板が取り付けられ、多くの人々がその下を行きかう。
看板のとおり学園祭の行われている今日は依頼も免除され、全生徒が思い思いに楽しんでいる。
友人同士、恋人同士、はたまた家族など、いくつものグループが見受けられる中、この学園で最も有名な4人組もまた学年やサークルなどの出し物を楽しんでいた。

「次はどれ行く?」
「んー、ここを通って実習場は?」
「少しお腹も空きましたし良いですわね」
「じゃ、それで決定だなー」

レイナの言葉にシュウがパンフレットを広げつつルートの進言をし、エミリアとファゼが賛成する。
次の行き先が決まった彼女たちは校内を通り途中で食べ物を買うと(本日食堂は休みだ)実習場へと出る。

「お、やってるやってる」
「ここは相変わらずの盛況ね」

実習場では室内では出来ない催しが行われているのだが、当然と言うか毎年このエリアでの催しはとても人気である。

「しっかし、何がいいんだろうな…」
「生徒や他のみなさんが楽しんでいるのなら問題は有りませんが」

催しの内容全てを把握している4人(許可は生徒会が行っている)は、全体を見回し首を傾げる。
先の体育祭でもそうだったが、この学園はくせ者が多いせいか世間一般の“祭り”とはかなり内容がかけ離れている節があるのだが。
首を傾げる4人もまた、そんな奇妙な催しに許可を出す辺り他の者と同類な事には気付いていなかった。


◆◇◆◇◆


「ああ、見つけた」
「ん?」
「誰ですの」

4人が出し物を巡っていると、見知らぬ青年に声をかけられた。
余談だが、この時レイナはなぜか出し物の店番をしてくれと連れて行かれ(同じ学科の生徒だったらしい)そんなレイナを追いかけてシュウも着いて行き、ファゼとエミリアの見ていた視界の先にて店番をしていた。

「君たちがファゼ君とエミリアちゃんだね」
「だから、誰ですの」
「知ってそうで知らない顔…」

声をかけてきた青年は肩辺りまである銀の髪を括り、紫の瞳を柔和に眇めた20台半ばの見た目だ。
その色彩と顔の造形に2人は即視感を覚え首を傾げる。
そこで見た顔だっただろうかと2人が思考の海に沈みかけていると、店番をしていたはずの2人の声が聞こえてきた。

「トキ兄?」
「なんで居るんだよ」

言いながら近づいてきた2人は怪訝そうな顔をしていて、トキ兄と呼ばれた青年はそんな2人の様子には気も留めず、嬉しそうな顔で持って手招きをしていた。

「あ」
「ああ!」

3人並び立ったその様に、ファゼとエミリアはようやく解ったと声を上げる。
そこかで見た、ではなくいつも見ている顔に似ているのだ。

「シュウの…」
「兄?」
「そ、シグレ兄さん。いつも放浪してるから会ったのは数年ぶりだけど」
「「・・・・・・」」

シュウの話を聞き、そんな家でいいのかと2人が心配になったのは言うまでもない。







数年放浪していた長兄登場。
25,6歳でシュウによく似てます。
名前はシグレ。
DRの大元話以前からの子なので昔は時雨と書いていました。
その名残でレイナからはトキ兄と呼ばれています。
父方がだいぶ薄れてはいるが東方の血を引いている設定も有ったり無かったり。勿論シュウも。
ちなみにシュウは秋と書いていました。

長兄の帰ってきた理由も書ければ、いいよね・・・。
兄弟仲は良くも悪くも無く、シグレは弟の反応を見たいがためにレイナを構う。
シュウにとってはいい迷惑ですね。(笑
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