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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

非力なんです

「のわっ!?」
『レイ!』

ボヨ~ンと間抜けな音を立ててレイが後ろに押し戻される。
レイの目前には黄色く弾力のある“壁”。
今現在彼らの居るここは、アーティがリーダーを勤めるポケモンジムだ。
何度も挑戦しては跳ね飛ばされるレイの姿を、一足先に壁の向こうへと移動したダリアが頑張れと応援している。

「くっそ、オレはそんなに力があるわけじゃないっての!」
『レイ、もう少しですから頑張って!』

ぐぬぬぬ、と渾身の力(一般的には普通程度の力)で壁を押す。

「ぅおあ!?」
『わわわ』

押し返されそうなのを何とか踏ん張り必死に壁を押して、スポリとこれまた間抜けな音を立ててレイは壁の向こう側へと進む。

「だーかーらー!このスイッチを踏んでもミーが飛び出すだけだぞ!?」
「ぎゃっ!」
『ああ…』

壁を抜け勢いついた身体は止まらず、床にあったスイッチを踏む。
その瞬間シュパッと現れたのはピエロの格好をした男性。
その男性はもう何度もスイッチを踏んでしまっているレイに呆れながら声を上げた。

「まぁったく、本当に君は力がないねぇ。もうこれで何度目よ?そこの壁抜けるたんびにスイッチ踏んで俺に驚かされて…」
「うるせぇ赤鼻」
「ちょ、逆ギレ!?」
『レイ、落ち着いてください!』

レイとピエロとダリアの鳴き声が、レイがジムトレーナーを倒すたびにジム内へと響いていたのは後に有名になったとか。
レイがジムへ来るようになること通算5度目の彼らの遣り取りを、奥のエリアで待つアーティは笑いを堪えながら聞いていた。

お前らとにかく早く来い!!







はい、本当に5回中5回とも踏みました。
んでもって壁を押す力加減間違えて何度も跳ね飛ばされました。
レイ君非力設定万歳。(ちょ

あの台詞を言うピエロオニイサンの印象がBAS●RAの猿●佐助っぽいんです飛び出すたびに悶々してる。(黙れ
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