play22 生体記録 2012年08月20日 一度セイガイハシティに戻ったオレは、手持ちの回復を済ませ再び22番道路へとやってきた。 マップを確認し、おそらくチャンピオンロードへは前回通れなかったジャイアントホールの横穴だろうと辺りを付ける。 はたしてその予想は当たり、23番道路へと進むことができた。 オレ逹は川沿いに上流へと進んでいく。 そうして長い距離を歩いていると、長い階段が見えてきた。 見上げてみると超常らしき場所にはアーケード。 恐らくはアレがチャンピオンロードの入り口だろう。 「……来たか」 階段を上りアーケードをくぐったオレを、佇み待つ人物が一人。 緑の髪を風になびかせるその人は、Nさんだ。 どうしてここに居るのだろう。 「この先がチャンピオンロードだ」 そう言って、Nさんが横を向く。 その視線の先にはバッジのオブジェクトが並ぶ道。 いよいよなんだと、オレは固唾を飲む。 「……僕はね、ポケモン勝負は傷つけるだけのものだと思っていたんだ」 何を、とは言わなくても判る。 ポケモンのことだ。 「けれど、それだけじゃないことを知った。ポケモン勝負とは、自分とパートナーの、相手と相手のパートナーとがもつそれぞれの素敵な部分を確かめ合うことでもあったんだ」 素敵な部分を確かめ合う…。 たしかに、Nさんの言うとおりだと思う。 オレ逹はバトルをすることで相手と分かり合える、相手の素敵な所を発見できる。 だからこそ楽しく、パートナーと切磋琢磨できるのではないだろうか。 Nさんはそれを、レシラムから教えてもらったらしい。 「君も、この先に進んで自分の真実を見つけるといい」 この先はこの秘伝マシンがないと進めないよ。 そう言って、Nさんが秘伝マシン「滝登り」を渡してくれた。 どうやら以前リーグとは違い、構造が変わっているのだとか。 オレはお礼を言って、秘伝マシンをバッグへと仕舞い込んだ。 Nさんは言うことを言ったのか、チャンピオンロードを後にする。 オレ逹も先に進もうと、歩みを再開した。 ≪ベーシックバッジヲ チェック シマシタ≫ 数歩進んだ先、オブジェの横を通り過ぎようとしたその時だ。 足元から光が当てられ頭の先まで通過したかと思うと、オブジェの方から合成音声が聞こえてきた。 それはどうやら通行人?がリーグ認定のバッジを持っているかをチェックしているらしい。 当然全てのバッジを持っているオレは、気にすることなく先へと進む。 最後のチェックも済ませて歩み続けたオレは、巨大な門のような壁に行き当たった。 それは先へ進むのを阻み、横から通る事が出来そうにない。 どうしようと考えた末によつはで飛び越せばいいと思いついた俺が実行しようとしたその時だった。 壁の向こうから何か重い物が落ちるような、沈むような音が鳴り響く。 「!!?」 『何かの襲撃でしょうか?』 最近周囲が物騒だったから、怪しい音に身構えるようになってしまっている。 リイヤもピンと耳を立てて辺りを警戒しているようだ。 と、視線を彷徨わせていたオレの視界で、壁の両脇の突起が僅かに動いたような感覚を受けた。 なんだろうと注視していると、その突起が轟音を立てて地面へと沈んでいく 「!!」 次々と沈む突起は、すべて沈み込んでしまえば残るは巨大な壁のみ。 そしてそれも、オレ逹の目の前で地面へと沈んでしまった。 しかしこれでオレ逹の行く手を阻むものがなくなった。 壁の先には歴史を感じさせる柱や石畳。 そしてその奥には遠くてはっきりと確認できないが、下に伸びる階段のような物。 おそらく、あの階段の先が本当のチャンピオンロード。 オレ逹は、意を決して歩みを進めることにした。 ***** いざ入ってみたチャンピオンロードの中は複雑で、出口までたどり着くのに苦労した。 中には怪力や波乗り滝登りを使う場所もあり、それらを周るのは中々の重労働だった。 しかしそれでも何とかなるもので、時々リイヤに助けてもらいつつチャンピオンロードの頂上付近へと登りつくことができた。 「リイヤ、頼りまくってごめん」 『気にしないでください』 隣にいたリイヤに、労いと感謝を告げる。 オレは階段を上ったり下りたりと、それだけで結構体力を消耗したのだけれど…。 流石というべきか、リイヤは息一つ乱していない。 旅で結構鍛えられたつもりなんだけど、まだまだなのかな。 そんな風に二人と一匹でじゃれ合いながら進むチャンピオンロード頂上。 ようやく出口らしき場所が見えてきたとホッとするのもつかの間、オレの背後から階段を駆けてくる足音が聞こえてきた。 オレ逹以外にも挑戦する人がいるのか、とぼんやり考えた時だ。 「待ちな!」 駆ける足音と共に、幾度と聞いてきた声。 振り返れば、駆けてきたためだろう息を切らしたヒュウ兄の姿。 「はあ、追いついた!ポケモンリーグ挑戦の前にオレが相手してやるよ」 これ如きではめげないとでも言うかのように持ち直したヒュウ兄が、ボールを構えて言う。 オレもせっかくだからとその誘いに乗ることにした。 「頼む、ラグーン」 『う、うん…』 レベル上げも兼ねて先頭にしていたラグーンを繰り出す。 控え目なこの子は、やる気はあるんだけどいつもオロオロしてるんだ。 今回もそうだけど、その中には隠しきれないリーグへのワクワクした気持ちが隠されている風だ。 その気になったラグーンはとにかく強い。 ヒュウ兄のポケモンに反撃を許さず沈めて行く様は、本当に雄々しい。 ヒュウ兄とのバトルはラグーンの頑張りもあって早々に終わった。 「…シオン、オレの旅はお前のおかげで無事に目的を果たせた」 「そっか、よかった。あのレパルダスは妹さんに?」 「ああ。妹のとびっきりの笑顔、お前にも見せてやりたかった!」 ヒュウ兄は本当に嬉しそうだ。 そんな彼は、これはオレからのお礼だと言って技マシン10万ボルトを譲ってくれた。 そしてチャンピオンになれと言って、背を強く押してくれる。 オレはその手の強さを感じながら、行ってきますとただ一言だけ零してチャンピオンロードを抜けた。PR