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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Dramatic Record ~Part 40~

数居る仲間の内で最も希少だった俺たち。
そんな中でも更に異質だった俺は常に独りで。
そんな、誰とも関わろうとしなかった俺に手を差し伸べて笑いかけてくれたのは貴女だけだった。

共に行こうと言ってくれた時、どれ程嬉しかったか。
優しい声音で名を呼ばれる度、俺の心は歓喜に震える。

あの時、俺は俺自身に誓った。

主と定めた貴女のその命が消えるまで、何があっても傍に居ようと。


◆◇◆◇◆


≪月影≫

優しい声が聞こえる。
その声に誘(いざな)われ、闇の中沈んでいた意識が浮上していく。
呼ばれたのだと理解したと同時に文字通り闇にたゆたっていた身を浮上させ、地上へと姿を現す。

「お呼びですか」

闇(正確には影だ)から姿を現したのは闇色の体躯に金色の瞳を持つ人語を解す獣だ。
姿は狼に酷似しているがその大きさは狼の比ではなく、大の男が2人は乗れるかというほど。
そんな闇色の獣---月影は主へと恭しく頭を下げ言葉を待つ。

「ん、最近会っていなかったから。それに今日は天気がいいから久々に、ね」

月影に傅かれている少女---レイナは微笑を浮かべ言葉と共に頭を撫でてやる。
気持ち良いのかグルグルと喉を鳴らし手に擦り寄る姿は大きな猫のように感じると、笑顔の下考えてしまう。

「しかし、よろしいので?まだ授業の時間なのでは…」

レイナが何を言いたいのか正確に読み取った月影は心配気に訊いてくる。
その言葉には大切だからこそ迷惑になる様な事はしたくないという思いが込められていて。
月影同様にしっかりとその気持ちを読み取った彼女は笑って続ける。

「いいのよ、私がそうしたかったの。だから一緒に日向ぼっこしよ」
「……わかりました」

しばしの葛藤の後、月影は承諾する。
とたん、レイナの顔には満面の笑み。

「それじゃいつもの場所へお願い」
「御意」

月影の是とする言葉を聞くや否や、レイナはそれの首へと腕を回す。
それを確認した獣は己と主の繋がった影を見て一言。

「闇渡り」

そう呟かれたと同時に彼らの影が蠢く。
蠢いていた影は次の瞬間実体を持つと1人と1匹を呑み込み消えた。

影の消えたその場には、彼らの姿はなかった。



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えへ☆

手ブロ退会とか言いつつ結局別アカww
ちょっとやっぱり完全に離れるには惜しかったんです。
前のアカだとちょっとやり難い事があったので、別アカだとは公表せずにやってます。
こっちにはリンク張ってますけどね。

Dramatic Record ~Part 39~

「面倒なことになってごめんなさい」

朝、顔を合わせて開口一番に言われたのは言い訳も誤魔化しもない謝罪だった。


◆◇◆◇◆


「えーっと、シュウが謝るって事はやっぱアレ?」
「…うん」
「うわー…」
「アレ、ですの…」

朝一番の授業を受けるため教室へ向かう生徒たち。
そんな生徒たちでごった返す廊下の端で会話を繰り広げているのは学園お馴染みの生徒会4人組、レイナ、シュウ、エミリア、ファゼだ。
彼らの言う『アレ』とは何なのか、廊下を行く生徒たちは聞き耳を立てる。

「で、あんたが謝るって事は上がらみ?」
「今度はどこですの」

大方検討の付いている聞き方のレイナと場所(?)を確認しようとするエミリアに、訊かれた彼はそっと視線を逸らした。

「先ず間違いなく上が絡んでるかなぁ…なんて。今回は多分、北の隣国だと…」
「そこ、前回もじゃなかった?」

気まずそうに答えた彼の言葉の中、聞き捨てならない単語を耳にしたファゼが問う。

「前回は私の所ですわ。北は前々回ですわね」
「北ってやり方せこいからねぇ」

問いに答えたのはエミリアとレイナだった。
『北って!?隣国って!?てかエミリア嬢が絡んでたって何!!?』と、4人の会話を聞いていた生徒たちの心が一つになった瞬間だった。
余談だが、この時既に授業は開始されており、話を聞いていた生徒(+一部の教師)が見事遅刻した事をここに記しておこう。

「あ、もしかして…」

と、ここで話を聞いていた一部の生徒から声が上がる。
その一部の生徒たちはみな一様に経験があるのか渋い顔をしていた。

「お前ら『アレ』が何か知ってんのか!?」
「教えろ!」

何も知らない、判らない生徒たちがそんな彼らに詰め寄る。
必死な顔は正直ちょっと怖い。

「アレって言えば、アレよ。ねぇ?」
「ああ、アレしかないな」
「だから『アレ』って何!?」

事情を知ってる奴らだけで納得するな!と叫ぶ声。
引っ切り無しにうんうんと頷いていた彼らは、その叫びに漸く口を開く。

「アレってのは、王族や貴族の子供は避けて通ることの出来ない試練だ」

と1人の男子生徒が言う。
カッコよく言っているがそれはつまり…。

「お家騒動ってやつよー」
「そろそろ、あいつ等も婚約や見合いの話がくる年齢だしなぁ…」

『ああ、やっぱりですか…』と漸く事情が判った他の人たちも遠い目になった。
ってか、あの4人組ってそんな身分だったのか…と。
この学園では基本的にファミリーネームは名乗らないので本人が言わない限りはなかなか知ることが出来ない。
それは教師にも言える事のようだ。

「シュウ様とエミリア様の時は大変だったそうですし…」
「北も厄介だとレイナ嬢が言っていましたね」

もしかしたらそこらの大人より世知辛いものを見ている4人組(+同類らしき生徒たち)。
少なくとも一般家庭の生徒たちより遥かに大変であろう。

「関係者以外は首を突っ込まない方がいいわよー」
「え?」

大変だなぁ、としみじみ思っていた彼らに、時には渦中に身を投じざるを得ない彼女たちからの忠告が。

「私たち、学園にいる間はその生活を満喫するための不文律が有るからいいんだけどー」
「無関係な、一般人の方たちに関しては身の保障が出来ないと申しますか」
「はっきり言ってそこまで手が回らないんだよなー」

それはつまり、一般人が下手に手を出して巻き込まれた場合どうなっても責任は負えないと。
改めて彼らへの認識を新たにすると同時に、絶対に首を突っ込まないようにしようと決意した日であった。

学園の生徒や教師たちが『子女同盟』なるものを知ったのもこの日だったとか。




第三弾

遊びすぎた企画(←)第三弾にして最後。
ちょっと絵柄崩れたなと思いつつ、満足です。

35768934.JPG

距離感とか物の位置が変とか言っちゃいけない。
考えなしに描いてたらこうなっちゃったんだもんwww

多分どこか書庫っぽい場所に居るんだよこの2人。
んでもってレイナちゃんは巻物広げててさ。
シュウ君はレイナちゃんに話しかけながら後ろの本棚から本取ろうとしてるんだ。
とまぁ、そんなイメージで描いてたのですが…。
楽しかったけど、満足したけど、微妙な感じ。(←


Dramatic Record ~Part38~

広大な森の中、動物にしては異様な気配がいくつも存在している。
そんな森の入り口に突然魔法陣が現れ、いくつかの影が出現した。
魔法陣は影を出現させると何事も無かったかのように消え失せる。

「ここ、ね」
「数…は、50前後かな」

影---レイナとシュウはそれぞれ確認するかのように口を開く。

「依頼書もそれくらいの数ですわ」
「結構、バラけてるなぁ」

残りの影---エミリアが手元の依頼書を見て内容を確認していく。
その言葉に続くのは漆黒の髪と瞳に赤い半フレームの眼鏡をかけた青年。

「まぁ、ここで考えてても仕方ないし行こうか?」

3人を促すようにシュウが言う。

「あぁ、ちょっと待った」
「どうかした?」

シュウの言葉に森の中へ入ろうとしていた彼らを止めたのはレイナだ。
それにいぶかしんで問うた青年---ファゼにレイナは答える。

「ん、バラけてるから森に逃亡防止用の結界張って」
「ちょ、ここかなりの広さですのよ!?」
「あら、森の外に逃げられるよりはマシでしょう?」

さらりと無茶を言ったレイナにエミリアが抗議すると、彼女はコキリと首を傾けもっともなことを言う。
しかしそれでも内容はなかなかに無茶苦茶だ。

「レイナー」

と、2人が言い合いをしている横から声がかかった。
2人はそれにつられて声のした方を見やる。

「準備終わったけど。いつでも張れるよ」

そこには無茶をなんでもない事のようにやってのけようとしている人がいた。

「シュウ様、まさか…本当に張るおつもりで…?」
「え、ダメだった?」

驚き尋ねるエミリアにシュウは逆に驚いたように訊き返す。
本当になんでもない事のように言う彼に、エミリアとファゼは開いた口が塞がらない。

「そりゃ君の魔力も多いのは知ってるけど、いくらなんでもこの範囲は…っ!」
「そうですわ。すぐに倒れてしまいますわよ」

2人の言葉にクスリと笑い彼は大丈夫だと言う。

「絶禍」

言葉と共に、彼は左手を軽く振るう。
とたん、辺りに響いたのは「リィーン」と高く澄んだ音。
その音を発したのは彼の手中にあった鈴だった。

「それ、シュウ様の?」
「ああ」

エミリアが鈴を見ながら問う。

「攻撃用の瞬禍と、防御用の絶禍。それぞれ特化した能力を持ってるんだ」

見せるのは初めてだっけ、と手に持つ鈴とベルトに固定していた鈴を見せる。
初めて聞いたその話にエミリアとファゼは再び驚かされた。

「わたくし、その鈴はただの飾りだとばかり…」
「俺もだ…」

そういって、2つの鈴を凝視する。
視線の先、『絶禍』の方には確かに魔力が通っており、何か魔法を使っていることが見て取れた。
そんな2人の様子を見ていたレイナはクスリと笑うと「この話はまた後で」と言って意識を依頼へと向けさせる。

「さ、早く済ませてしまいましょう」
「そうですわね」
「わかった」

それぞれに返事をして、彼女たちは依頼完了の為森へと入っていくのであった。




ふと気付くと

今月、月の半分からほぼ毎日更新してますね。
それもドラレコ。(笑

日記は?なんてことは聞いちゃいけない。
なにせこのブログはコレのために存在しているのだから!(爆

もうほんと、娘息子たち可愛いよ。
何でこんなに可愛いんだろう自分の作った子供たちだからだよ現実に居たら抱きしめたいよねでもその前に変人として吹っ飛ばされそう☆(←

ツンツンツンデレな我が家の女帝レイナちゃん。
やる時はやるんだけど大好きな子にはヘタレなシュウ君。
カッコいいんだけど女性陣に頭の上がらないお兄様のコウリュウ。
兄様大好きみんなも大好きな弟君コウヤ。
飄々としてるんだけどその実多分きっと一番苦労性なビャクヤ。
悪戯好きな姉御肌のルリちゃん。
おっとりしててみんなに優しいサヨちゃん。
笑顔でなんでも流しちゃう最強ママンのユキメ。
そんな彼女の旦那様のリュウオウ。
走る速さは誰にも負けない隠れ苦労性なエン。
怪力すぎて色々壊しちゃう破壊神のゴウ君。

私(作者)から見たみんなはこんな感じ。
お前本当に自分の子たち可愛いのかって疑問に思われそうだけど可愛いんです。
もう、好きすぎてどうしようもない感じ☆(黙れ




Dramatic Record ~番外 7~

●内容
久々の性転換ネタ。
レイとシュウによるデートです。

さてさて、彼はどこからデート費用を出しているのか。
うーん…依頼報酬?それとも親の残した金か。
まぁ、その気になればいくらでも稼げるからなぁ。
シュウちゃんも、すげー持ってるんだぜ。

今度本編でもデーとやりたいよね。
Wと言わずトリプルとかさ。(←



 


Dramatic Record ~Part 37~

「それではみなさん、各自材料を用意して作業を開始してください」

サヨのその言葉に、生徒たちは材料を取るために席から立ち上がった。


◆◇◆◇◆


「えっと、この次はコレを刻んで入れて…」
「うわわ、なんでこんな色になるの!?」
「あ、お前これ入れ忘れてるじゃん」
「あーあ、失敗だね」

などなど、今現在教室の中は賑やかである。

ただ今の授業は薬学。
担当教員は保健医の1人であるサヨだ。

そんな本日の薬学は極一般的な解毒薬の調合。
教科書通りにすれば完成できるはずなのだが、先程から見るに生徒たちはある一定の工程から失敗しだしている。
勿論成功している者もいるのだが。
解毒薬は今回が初めてということもあり、上手く出来ないのだろうか?
先程からあちこちで失敗の声が聞こえる。

「……まだ、早かったでしょうか」

その光景を見ていたサヨがポツリと呟く。

いやしかしだ、今までに色々な調合をしてきたし何よりこの授業は多かれ少なかれ知識を持っている者たちばかりの筈。
いったいどうしたと言うのだろうか。
一人首を傾げるサヨと慌てふためく生徒たち。

結局授業はそのまま続き、実は棚に似たような薬草があった為に間違って違うものを使ってしまったと判ったのは後日だったとか。(間違って出来た薬はあろうことか毒薬になりました。)