忍者ブログ

刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



Dramatic Record ~Part 49~

「あれ?」

ふと目に付いたのは、彼女の首に掛かるそれ。
少々小振りのそれは陽の光に照らされ澄んだ薄青色の輝きを放つ。

「レイナ、そんなの持ってたっけ?」
「ん…あぁ、これ?」

気になって問いかけてみたら、暑さのために寛げていた制服の前から覗くそれに手をかけ聞き返してきた。

「そう、それ。はじめて見た気がするんだけど」
「これはね…」

胸元に存在する水晶にも見えるそれを片手で弄る彼女の瞳は、ここではないどこか別の場所を見ているような、懐かしむような色を宿している。
不意に彼---シュウは不安に駆られた。
今儚く見える彼女がどこかに行ってしまいそうで。
無意識にそっと彼女の腕を取ると、そのまま身体を引き寄せて自身の腕の中に閉じ込める。
突然の行動に、腕の中に閉じ込められた彼女は目を瞬かせ彼を見上げた。

「シュウ?」
「なんでも、ない…」

いぶかしむ彼女にそう応えて笑みを浮かべる。
本当は急に不安になったのだと、君が消えてしまいそうに思えたなどとは決して言わない。

「で、それは何?」

これ以上は気かな方がいいのだろうけど、どうしても気になったから。

「これは氷晶石っていうの」
「ひしょうせき?」

初めて聞く名称だ。
思わずひらがなで聞き返してしまった。

「正確には鉱石じゃなくて魔力の結晶でね、お守りなの」
「結晶…」

彼女の言葉には驚いた。
だって、普通は魔力が結晶化するなんてありえないから。

「ふふ、これは特別でね。ちょっと特殊な製法で作られたのよ」
「それは、蒼が?」
「いいえ、私の母よ」
「!」

『母』と言った瞬間の彼女に瞳には、深い悲しみ。
マズった、と少し前の自分を呪いたくなった。
だって彼女は、まだ完全に悲しみから抜け出せていない。
普段は平気そうな、何も感じさせないのに、時々酷く悲しそうにしているのを俺は知っていたというのに。
知らず知らずのうちに腕の力が強まっていたようで、彼女は小さく呻いて身をよじった。

「ぁ…ごめん」

小さく漏れた謝罪の言葉は、はたしてどちらに対してのものだったのか。
あるいはどちらでもないのか、その判断はつかない。

「それは良いけど、どうしたの?痛そうな顔してる」

自分だってまだ痛いだろうに、そんなこと感じさせない風で。
やっぱり彼女は凄いなと思う。

「なんでもない。本当に、なんでもないから」
「……そう」

なんでもないと言ったけど、きっと彼女にはお見通しだろう。
彼女はとても聡いから。
俺は彼女を抱いたまま、その肩へと顔を埋めた。
お題No.6 水晶





あっぶねぇ

いつもの所からブログ管理ページに飛べなくて焦ったw
どうなってんだ何で繋がらないんだー!?ってw
他のところから事なきを得ましたが普段そこからいってるとほんと焦りますよねー。

さて、明日は夕方にテストです。
ええ、夕方です。
夕方のテストのために15時前後から学校に行ってきます。
なんで…こんな時間…orz


Portable Doll ~Part 1~

「ぁ…」

ひらりと目の前の空間に現れたのは一通の封筒。
それを難なくキャッチし送り主を確認する。

「ん、またダイレクトメールか」

これは不要、と即削除する。

「はぁ…」

作業が終わって一つ溜息。
そしておもむろに視線を前へと動かした。
視線の先に見えるのは1人の背中。
先程(と言っても数時間は経っている)からずっと動かない背中の主は何をしているのかと言うと、本を読んでいる真っ最中だ。

現在メールが6通と不在着信が9件、留守電が3件。
そろそろ昼食時だから一定感覚でいづれかが届く(送り主は友人たちだ)。
ちなみに今の時刻は11時59分。
今の俺が唯一『聞こえる』声を出せる時が近づく。

カチッと内蔵されたタイマーが12時になった瞬間。

「チャッチャーチャ、チャーラーララ--…」

もうだいぶ慣れた風に着メロを『聞こえる』声で歌う。
その声に気付いた背の主は、本に栞を挟み閉じると、ようやくこちらを向いてくれた。

見えるのは20になったばかりの幼さが抜けた顔と蒼い宝玉のゆおな瞳、普段結われている髪は今は下ろされ、その色は陽に輝く金色。
青い瞳はひたと見据えられたらきっと誰もが動きを停止させるだろう力強さを持っている。

そんな不思議なまでの力強さを持つその人物は、ゆっくりとそれを手に取った。

「…メールが6通、内KCから1件と友人から3件に学校から2件。不在着信が9件と友人からの留守電が3件入ってる」
「あー…KCのを開いて」

『俺』が用件を伝えると、一番重要だろう件を選択された。
その言葉通りに電子パネルを出現させて『重要な案件』と書かれたメールを表示する。
パネルに映った文面を読み上げたその人物は『俺』を見やって口を開く。

「十分データは取れたみたい。問題もないようだって」
「ほんとか!?」

伝えられた結果に、『俺』は目を輝かせる。


『俺』ことシュウは、神薙カンパニーが今年中に発売を予定している多機能性人形型機器『Portable Doll』、通称PDのプロトタイプ最終型だ。
人形型とあるように、俺たちはロボットでありその大きさはなんと15~20cmと小さい。
それでも見た目だけなら本物の人間とまったく同じだ。
機能としては電話やメールに始まり、ネットやテレビなんかも見られる。
知能もあるので先程のように会話することも可能だ。
発売にあたっては外見もある程度好みに応えたいとの事。

そんな開発最終段階である現在、俺たちプロトタイプ最終型は幾人かのモニターの許で数ヶ月のテストを行っているところだったが、それもどうやら終わりのようだ。
この後俺たちは一度回収され、発売用のロボットが作られる。

「数日中には回収するって。それからプログラムを弄ってだから、来月には戻れるんじゃない?」
「そっかー」

俺のモニターである金髪碧眼の人物---レイナは、俺を手の平に乗せて言う。
『戻れる』というのはモニター契約したときの項目の一つらしい。
どうも俺たちはモニターテスト後プログラムを再調整し、そのまま使われることになっているのだとか。

「うー…俺が離れても大丈夫?」
「ん、元々なくても平気だったからね」
「……」

俺の存在意義ってあるのかな、と彼女の許に来て十数回目の疑問であった。




3連休

もう前期授業終了しました。
明日は授業ありませんテストもないです。

3連休だひゃっほーい!!!

この前の代わりですねありがとう。
明日は洗濯とレポートやります。
その後は読書!
飽きたらお話の続きですね。(爆

目次

●本編目次

第1話 ~始まり~
  『チャッチャーチャ、チャーラーララ--…』

第2話 ~生存確認~
  『……生きてる?』

第3話 ~生活能力破綻者達~
  『セツメイヲオネガイシマス』

第4話 ~発表~
  『それでは発表いたします、厳正なる抽選により選ばれた5人はこの方たちです』

第5話 ~侵入者~
  『うるさい私の微睡を邪魔しやがって冥府への片道切符がそんなに欲しいか』

第6話 ~実験~
  『レイナ、遅い。ちゃんと地図を使ってくれ』

第7話 ~彼らの日常~
  『今すぐシャワー浴びで食堂へ来なさい!!』




各種設定

・世界観
  それぞれの国により様々な文明の発達した世界。
  都市は高層ビルが建ち、田舎は緑生い茂る。
  今作(PD)では科学文明の発達した国、イステアの都市が舞台となります。


・科学文明国【イステア】
  その通り、科学技術の発達した国。
  その中心都市には高層ビルが立ち並び、空を飛ぶように走る車も。
  環境汚染問題が起こらないよう国が徹底して指導、監視している。
  北方には鉱山、東西には森が広がる。


・Portable Doll
  神薙カンパニーが開発した身長15~20cmの多機能性人形型機器。
  メール、電話、ネットなと様々なことができる。
  知能もあるので事前に設定しておけば不必要なメールを自動削除したりもしてくれる。
  会話可能。
  防水加工も施されているので雨に濡れても大丈夫。

  外見は購入時にカッコいいや可愛いなどの大雑把な系統と髪の瞳の色が選択でき、それに合わせてコンピューターが容姿を決定、製作となる。
  性格の大まかな指定も可能。
  ただし、誰々に似せるなどは不可能。

  充電はスリープカプセルと呼ばれるPD専用のベッドで寝ている間に充電するのが常。
  外出時のエネルギーぎれも考慮し、電気玉と呼ばれるBB弾程の大きさをしたエネルギー補充道具も販売されている。
  電気玉は販売時点で充電されており、PDの口内に含ませることでエネルギー補充できる。
  ちなみに使い捨てで、回収BOXが電気店に設置されている。


・神薙カンパニー
  世界有数の大企業にしてPDを販売する会社。
  本社は科学文明の発達した国、イステアにある。
  社長である神薙氏は元々極東の国の出だが、数代前にイステアに本社を据えてからこの地に住む。
  コンピューター関連を収入のメインにしている。
  PDを開発したのは現社長の息子にして技術開発部室長のシュウ。
  その理由はとてつもなくくだらなかった為に近しい者たちしか知らず、みんな墓まで持っていく覚悟をしているとか。

登場人物:人間

【氷姫 霊菜(レイナ=クロイツ)】
 髪:金 瞳:青 歳:20 性別:女

  極東の国に実家がある女性。
  先祖返りで金髪碧眼なため極東出身と言っても疑われ、
  いちいち説明するのが面倒になったため普段は父方の姓であるクロイツと名乗る。
  氷姫家もクロイツ家も名家で正真正銘のお嬢様。
  PDの試験モニターに強制参加させられ当初は立腹していたが、
  今ではPDをとても可愛がっている。


【神薙 秋(シュウ)】
 髪:銀 瞳:紫(やや薄い色) 歳:20 性別:男

  神薙カンパニー(通称:KC)現社長の息子にして技術開発部部長兼情報管理部室長。
  PDを発明した本人であり、発明理由はとてつもなくくだらなかった。
  相当頭が良く社長就任も近いだろうと言われているが、
  本人はまだ好きなようにしたいらしい。
  一度研究に没頭すると寝食を忘れるために周囲は世話スキルが上達するらしい。
  人畜無害に見えて実は結構有害。


【紫藤 孔流(コウリュウ)】
 髪:深い藍 瞳:藍 歳:24 性別:男

  コウヤとは双子の兄。
  KCではシュウの補佐的なことをしているらしい。
  レイナが居ない場合のシュウと弟の唯一のストッパー(他じゃ手に負えない)。
  本来は別部署なのになぜこいつらの…と愚痴る姿が目撃されている。
  サヨとは婚約中。


【紫藤 孔夜(コウヤ)】
 髪:濃紫 瞳:紫 歳:24 性別:男

  コウリュウとは双子の弟。
  KCでは兄と同じ部署に勤める。
  明るく元気で場を和まし、兄を振り回す。
  兄と同じ顔ではあるが雰囲気が違うため女性陣には可愛いと好評だとか。
  ルリとは幼馴染兼許婚。


【白銀 白夜(ビャクヤ)】
 髪:銀 瞳:金色 歳:31 性別:男

  振り回す弟と振り回される兄の双子の保護者。
  コウリュウが愚痴を零す相手であり(精神的に)最後の砦。
  そのせいか苦労人街道驀進中。
  他が強烈過ぎるためあまり目立たないが彼自身も単体だと実は色々と危険だったりする。
  絶賛恋人募集中だが当分現れる様子はない。


【雛森 沙夜(サヨ)】
 髪:黒 瞳:黒 歳:23 性別:女

  コウリュウとは婚約中の身。
  KCで衛生(保健)室と保育室を預かる。
  衛生室は主にシュウのため、保育室は働くママのためにあるらしい。
  シュウ(の周り)と働くママには感謝され、子供には懐かれている。
  天然さんなのでたまに会話が噛み合わない。


【藤波 瑠璃(ルリ)】
 髪:こげ茶 瞳:赤茶 歳:24 性別:女

  コウヤとは幼馴染にして許婚。
  バイトでよくKCの保育室に出没する。
  元気で体力があるのでちびっ子の相手は任せなさいと豪語する。
  大体週3~4回は見かけることが出来る。
  たまに破天荒な行動を(コウヤと共に)起こしてコウリュウを疲弊させている。


【天宮 龍王(リュウオウ)】
 髪:青 瞳:青 歳:40 性別:男

  ユキメの旦那様。
  氷姫家とは古くからの付き合いがあるらしい。
  実は諸々の事情で家出してきちゃったりするレイナに付き合ってイステアの地まで来た。
  普段は武術を教える師範。
  自分にも他人にも厳しいタイプで怒らせると怖い。


【天宮 ユキメ】
 髪:青みがかった銀 瞳:薄い青 歳:37 性別:女

  リュウオウのお嫁様。
  イステアでレイナを介しリュウオウと出会い、見事ゴールインしたのだとか。
  KCの衛生室と保育室に勤務している。
  柔和な性格で子供たちに人気。
  夫婦間に子供ができる気配は今のところない。


【風 焔(フォン イェン)】
 髪:漆黒 瞳:赤 歳:27 性別:男

  みんなからエンと呼ばれている青年。
  リュウオウとは友人らしいのだが普段の2人を見ているとどうにも怪しく感じる。
  よく彼を怒らせては逃げ回るという姿が目撃されている。
  本人曰く情報屋らしい。
  ゴウとよく行動を共にする。


【ゴウ】
 髪:深紅(暗赤) 瞳:灰 歳:25 性別:男

  無口と言うか寡黙と言うかとにかく喋らない青年。
  喋っても単語だけだったり主語だけだったりと言葉を理解できる人は極僅か。
  あまり喋らないため名前以外は素性が知れないが、
  エンと行動を共にしているんだしまぁいいかと言うのが周囲の見解。
  本人も本人だが周囲も大概適当である。


【エミリア=ローズ】
 髪:淡い桃 瞳:深緑 歳:20 性別:女

  KCと肩を並べる大企業、ローズ社のご令嬢。
  社長同士は(一方的であるが)あまり良くないのだが、子供同士は気が合うようで仲がいい。
  時々KCに赴いてはシュウと共に暴走し、コウリュウの手によってローズ社に送られる。
  既に2人の中は悪友と言っても過言ではない。
  レイナともなんだかんだで仲がいいとは本人談。


【ファゼ=ウィリア】
 髪:黒 瞳:緑 歳:20 性別:男性

  シュウの友人にして助手基世話役その3。(1はレイナ、2はコウリュウ)
  KCの情報管理部に勤めているが頭が良いので時々技術開発部にも顔を出す。
  世話役その3と共に苦労人その3の称号をそろそろ戴きそうになっている哀れな人。
  世話役と言うか、むしろもう『おかん』だとは周囲談。
  エミリアのことがそれなりに気になって入るらしい。


【クロス=ローゼン】
 髪:漆黒 瞳:漆黒 歳:30 性別:男

  レイナの知人らしい男性。
  間柄もそれなりに親しいとは本人談。
  レイナに対してスキンシップ過多。
  会う度に抱きしめようとするため避けられるか最悪アッパーが飛ぶ。
  有名な俳優で普段は芸術の国に居る。