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刻の本

古びた本は 今も昔も刻(とき)を刻む。

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Black プレ日記 について

プレイ日記という名のssです。
そして素直にプレイ日記として機能していません。

以下の項目を前提としてプレイ日記は書かれています。

・主人公の性格捏造。
・ポケモンが喋れる設定。
・というか実はレイ君がポケモンの声を聞ける設定。
・だってそのほうが楽s(ry
・ついでに色々場面も捏造していたりする。

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オレはシャワーを浴びたいんです

「はー、やっと次の街に到着だな」
『疲れました…』
「うん、どこかで休憩しような」

ようやく次の街であるライモンシティに到着した1人と1匹。
散々砂嵐で揉みくちゃにされ砂っぽくなっている彼らは早くシャワーを浴びてさっぱりしたいと考える。

『でも、レイのおかげでまた強くなれました』
「そうだね、レベル上げるの大変だったけど」
『アララギ博士にも、久々に会えました』
「うん。ハイパーボール嬉しいなぁ」
『また仲間が増えますね』
「たくさん、ね」

レイはダリアを肩に乗せ街の入り口で立ち止まり談笑する。
色々と会話が弾み、1人と1匹には笑顔が絶えない。

「さて、いい加減行こうか」
『はい』

いつまでもここに立っているわけにもいかないだろうと、レイは歩みだす。
すると前方にいい加減見慣れてきたといってもいい奇抜な格好の2人組み。

「じいさん!あんたが育て屋ってのは知ってるんだ!なんたってオレたちプラズマ団だからさ!」
「いや、それちょっと違うだろ」

プラズマ団下っ端の言葉が聞こえ、レイは思わずツッコむ。
こいつら、時々アホの子発言だよな…。

「俺たち人のポケモン奪ってんだよ。育て屋といったら色んなポケモン預かってんだろ?それをオレらによこせ!」
「なんと言う無茶を!」
「(なんつーか、幼稚園生並だな。言い分が)」

レイが離れた場所からその光景を眺めていると、育て屋だという老人は助けを求めて辺りを見回し。
バッチリしっかり目が合ってしまった。

「あー…うん…」
「おお!強そうなトレーナーさん、助けておくれ!!」

老人かと思わせる素早さでもってレイの許まで走り寄ると、彼の老人は助けを求めてきた。
そのままレイの後ろへと身を隠す。

「はいはい判りました助けますよ…」
「邪魔立てするならお前のポケモンを奪うぜ!」

どうせこいつら絡みだと逃げられないのだと判っているレイは返事が投げやりになっている。
遠い目をしたレイの思考はシャワー浴びたい、ただそれだけであった事を書き記しておこう。

ちょっかいを出してきたプラズマ団はというと、当然ながら圧倒的な差で負けを喫した。




人数分のゴーグルください

「うわっ、目が!」
『い、痛いです!』
「だ、ダリアは戻ってて」

吹き上げる砂埃に1人と1匹の悲鳴が上がる。
ダリアは目が大きいためか砂がもろに入り涙目だ。
そんな姿を見かねたレイはダリアをモンスターボールへと戻す。

「しかし、砂が凄いな」

腕を顔の前にもって行き砂を遮る。
ここ4番道路は砂嵐とまでは行かないまでも砂が風に舞っていて体力を削ってくる。
小まめに回復しないと危ないなとレイは考えつつ、一先ず先方に見えるチェレンを避けて左の道へと逸れたのだった。

こんな状態でうちの子たちを戦わせられるか!




人の意見は聞きましょう

「ねえねえ、今どこお?」

レイがジム戦に勝利し建物を出ると、丁度ライブキャスターが鳴り出した(リーダー戦はせりことハトーボーのエアスラッシュで瞬殺だ)。
画面を見るとそこにはベルの姿。

「どうしたんだ?」
「お願いがあるんだけど…ポケモン勝負しようよ!」
「・・・・・・オレ今ジム戦終わったところ」
「アイリスちゃんに鍛えてもらってちょっとは強くなったんだよ」
「おいだから人の話聞けよ」
「もう自分のポケモンを守れるはずだから…」
「・・・・・・」

どいつもこいつも人の話聞いてねぇし!
ライブキャスターがミシリと不穏な音をたてたのを知るのはダリアだけであった。

「じゃあ4番道路に繋がるゲートで待ち合わせしようね!」

笑うなら始めからこんなもの作るな

「き、きみっ…ほんっとうに、非力だね!」
「・・・・・・っち」

あははは、と腹を抱えて笑うのはジムリーダーのアーティ。
ようやくレイが最奥へとたどり着き待ち構えていたのは爆笑し目に涙を溜める彼の姿であった。
あまりにも笑われているものだからレイは思わず舌打ちする。

「ひ助、ねっとう」
「だー!待て待て待て待て!!」

思わずひ助を出して技の指示をするのも致し方ない。

「ごほん!あー、さっきはありがとう!ボクの虫ポケモンが君と戦いたいって騒いでさ。ではでは、早速だけど勝負だね」

なんとか笑いを治めたアーティは一つ咳払いをしてジムリーダーとしての顔つきに変わる。
そしてボールを構え、バッジをかけた勝負が始まった。




非力なんです

「のわっ!?」
『レイ!』

ボヨ~ンと間抜けな音を立ててレイが後ろに押し戻される。
レイの目前には黄色く弾力のある“壁”。
今現在彼らの居るここは、アーティがリーダーを勤めるポケモンジムだ。
何度も挑戦しては跳ね飛ばされるレイの姿を、一足先に壁の向こうへと移動したダリアが頑張れと応援している。

「くっそ、オレはそんなに力があるわけじゃないっての!」
『レイ、もう少しですから頑張って!』

ぐぬぬぬ、と渾身の力(一般的には普通程度の力)で壁を押す。

「ぅおあ!?」
『わわわ』

押し返されそうなのを何とか踏ん張り必死に壁を押して、スポリとこれまた間抜けな音を立ててレイは壁の向こう側へと進む。

「だーかーらー!このスイッチを踏んでもミーが飛び出すだけだぞ!?」
「ぎゃっ!」
『ああ…』

壁を抜け勢いついた身体は止まらず、床にあったスイッチを踏む。
その瞬間シュパッと現れたのはピエロの格好をした男性。
その男性はもう何度もスイッチを踏んでしまっているレイに呆れながら声を上げた。

「まぁったく、本当に君は力がないねぇ。もうこれで何度目よ?そこの壁抜けるたんびにスイッチ踏んで俺に驚かされて…」
「うるせぇ赤鼻」
「ちょ、逆ギレ!?」
『レイ、落ち着いてください!』

レイとピエロとダリアの鳴き声が、レイがジムトレーナーを倒すたびにジム内へと響いていたのは後に有名になったとか。
レイがジムへ来るようになること通算5度目の彼らの遣り取りを、奥のエリアで待つアーティは笑いを堪えながら聞いていた。

お前らとにかく早く来い!!




それは正しく矛盾

「(うわ、行き成り修羅場)」
『レイ、行かないと』
「・・・・・・」

建物内へと足を踏み入れると、そこには互いに対峙するアーティと七賢者と思われる人物たち。

「プラズマ団って人が持っているものが欲しくなると盗っちゃう人たち?」
「(なんか、先生みたい…)」
「ポケモンジムの前に隠れ家を用意するのも面白いと思いましたが意外に早くばれましたな」
「(そーいう問題なのか)」
「たしかに…まあ、ワタクシたちの素晴らしきアジトはすでにありますがね」
「(見つけ次第破壊決定)」

彼らの遣り取りを聞きながら、レイは普段通りというか、相も変わらず今後の事を考えていく。
大半が失礼なことだったりするのだがそこは割愛しておこう。

「さて、アナタ方。イッシュ建国の伝説はご存知ですか?」
「(たしかドラゴンポケモンが関係してるとか何とか…)」

レイたちの目の前ではアイリスが答えたことにより以前に会った男、たしかゲーチスと名乗っていた人物が語りだしている。
もっとも、あの様子なら答えなくても勝手に喋り始めただろうが。

「このヒウンにはたくさんの人が住んでいるし、生活スタイルもばらっばら。でもな、共通点があってさ」

ゲーチスの話が終わるとアーティが話し始めた。
プラズマ団たちはなにを突然話し始めるのかと疑問符を浮かべている。

「みんな、ポケモンを大事にしてるよ。初めて会う人ともポケモンを通じて会話する。勝負をしたり交換したりね」

それはなにもポケモンに無理強いしたりしているのではない。
ポケモンやその使い手たちがそうなることを望み、そしてそれが叶っただけ。

「カラクサの演説だっけ?ポケモンとの付き合い方を見つめなおす切っ掛けをくれて感謝しているんだよ」
「(たしかに、あの演説は良かった。ポケモンをパートナーとしてみてくれる人が増えたから)」
「そして誓ったね!もっともっとポケモンと真剣に向き合おうってね!」
「(そう、何事も向き合うことは大切だよ)」
「あなたたちのやっている事はこの様にポケモンと人の結びつきを強めるんじゃないの?」

ひょうひょうとした風のあったアーティが真剣な眼差して言う。
あの演説を聴いていればたしかにそう思えるだろう。
彼らが人とポケモンとの結びつきを寄り深くさせようとしているように感じる。
けれど…。

「ふははは!掴み所がないようで存外キレ者でしたか。ワタクシは頭のいい人間が大好きでしてね。王のため世界各国から知識人を集め七賢者と名乗っているほどです」
「・・・・・・王?」

ゲーチスの言葉に引っ掛かりを覚える。
王とは何だろうか、と。

「よろしい!ここはあなたの意見に免じ引き上げましょう。そこの娘、ポケモンは返してやろう」

そう言ったゲーチスは下っ端に命じベルのムンナを解放した。
ベルは帰ってきたムンナにお帰りと言いしっかりと抱きしめる。
そして返してくれたことにお礼を言った。
しかしアイリスはそれが不満だったようで文句を言っている。
けれどベルは帰ってきてくれただけで嬉しいのだと、返してくれたからもういいのだと言う。

「これは麗しいポケモンと人との友情!」

それを見ていたゲーチスは一見喜んでいるように見えた。

「ですがワタクシはポケモンを愚かな人間から自由にするためイッシュの伝説を再現し、人心を掌握しますよ…!では、御機嫌よう」

ゲーチスはそういい残し、部下を連れて去っていった。

いい加減理解してください

「だから、道、わかんない、って言ってる、のに…っ!」
『だ、大丈夫ですか?』
「大丈夫じゃ、ない!」

またもや置いていかれた彼らは必死に走ってアーティたちを探していた。
さすがに息が上がっている。
身体の構造はポケモンと違うためにダリアよりもずっと早くに息が上がっていた。
そんなレイの横を平然と、しかし大丈夫だろうかと気にしながらダリアが併走する。

「いたぁー!!」
『いました、ね』

あちこち走り回り(街の端から虱潰しに探した)ようやくアーティを見つけたと思いきや、「あっちだ!」と言って走り去った。
既にへばりかけているレイはまだ走るのか!と悪態を付きつつも、その足を止めることはなかった。

レイが追いついたとき、アーティは建物の入り口に立つ下っ端たちに迫っていた。
下っ端たちはその気迫に怯え墓穴を掘りまくっている。

「アホだ、アホがいる…」
『それはちょっと、直球過ぎるかと…』
「アホって言うなー!」
「いや、墓穴掘ってる時点でアホだろ」
「っく…言わせておけば!ガキ、勝負だ!」
「望むところだ。いくよ、ダリア」
『はい』

◆◇◆◇◆

「はは、オレの勝ち♪」
「くっそぉっ!」

ポケモンの相性とレベル差で、数分の後にはプラズマ団の下っ端はやられていた。

「お、ひ助熱湯覚えたのか」
『おうよ!』
『おめでとうございます、ね』

ひ助ことヒヤップは今の戦闘で熱湯を覚えたらしい。
レイとダリアの祝いの言葉に陽気に答えている。

「マズイ…マズイマズイマズイマズイマズイマズイ。プラズマ団としてマズイ。縮めてプラズマズイ!」
「いや、おかしいからソレ」
「とにかく七賢者様に報告しないと…!」
「おい人の話し聞けよ。……っち」
「(レイ君って以外に黒いな…)」

慌てて建物内へと入っていった下っ端たちに舌打ちしたレイを見て、アーティはレイの黒さを垣間見た気がした。

せめて案内をするべきだ

「っち、どこだよ…」
『あぅあぅ』
「ああ、ごめん。怖がらせたな」

クスッと笑って傍らで慌てているダリアの頭を撫でる。
なにかとやっているこの仕草はこの数日ですっかり染み付いてしまった癖だ。

「またプラズマ団が出たから手伝ってくれってのは良いけど…どこだよ」
『初めてですから…』
「だよなぁ、不親切すぎるだろ。普通はこう、道案内とかさ…」

彼らはただ今絶賛迷子中。
はじめてきた土地と夜ということも有りどこがどこだかわからず仕方なしに手当たり次第に見て回っているのだ。

「お?はっけーん」

遠くを見たレイが呟く。
ダリアがその方角を見ると、アーティとベル、そして見知らぬ女の子がいた。

「プラズマ団、この子のポケモンを奪ったって…」
「レイ、どうしよう。あたしのムンナプラズマ団にとられちゃったぁ」

どうやらおっちょこちょいのベルはポケモンを奪われてしまったらしい。
レイはえぐえぐと泣くベルを見つめて呆れた表情をする。

「あたしね、おねーちゃんの悲鳴を聞いて必死に追いかけたんだよ!でもこの街人多いし見失っちゃったの…」

レイがどうしたものかと考えていると、ベルの横にいた女の子が一生懸命状況を説明してくれた。

「アイリス、君は出来ることをしたんだから」
「でも、ダメだったもん!人のポケモンを取っちゃダメなんだよ!!ポケモンと人は一緒にいるのがステキなんだもん!お互い無いものを出し合って支えあうのが一番なんだもん!」
「アイリスちゃん…」

彼らのやりとりを静かに見守りつつ、レイは少女アイリスの言葉に共感する。
それと共に相変わらずなプラズマ団をどうするかと思考をめぐらせる。

「---…!ね、レイ君!」
「は、えっ?」
『レイ…』

自分の思考に耽っていたレイは突然アーティに話を振られ呆けた声を出す。
足元のダリアが嘆息しながら声をかけてきた。
ダリアが話の説明をしてくれている間に3人だけで話が進み。

するとレイが来た道からプラズマ団の下っ端がやってきた。

「なんでジムリーダーが居るの!?せっかくもう1匹奪おうと思ったのに…っ!」
「(あ、こいつこの前とは別の奴だな)」

犯人は現場に戻るを色々な意味で実証してくれた下っ端を見つめ、レイはズレた考えをする。
とりあえず…。

「獲物発見」
『・・・!?』

アーティが呼ぶ声に隠れるようにして小さく呟いたレイの言葉に、ダリアは冷や汗が流れた。
ご愁傷様です、プラズマ団。